「生まれつき四肢に障害のあった私のせいで
「 うまれつき しし に しょうがい のあった わたし のせいで
「 Umaretsuki Shishi ni Shougai noatta Watashi noseide
喧嘩ばかりしていたパパとママは、
けんか ばかりしていた ぱぱ と まま は 、
Kenka bakarishiteita papa to mama ha 、
お医者さんの薦めに従って契約書にサインした。
お いしゃ さんの すすめ に したがって けいやくしょ に さいん した 。
o Isha sanno Susume ni Shitagatte Keiyakusho ni sain shita 。
こうして、生まれてから一度も外へ出なかった私は、
こうして 、 うまれ てから いちど も そと へ でな かった わたし は 、
koushite 、 Umare tekara Ichido mo Soto he Dena katta Watashi ha 、
病室で迎えた11歳の誕生日に、
びょうしつ で むかえ た 11 とし の たんじょうび に 、
Byoushitsu de Mukae ta 11 Toshi no Tanjoubi ni 、
初めて自由に動く自分の体を手に入れたのだ。
はじめて じゆう に うごく じぶん の からだ を てにいれ たのだ 。
Hajimete Jiyuu ni Ugoku Jibun no Karada wo Teniire tanoda 。
私は『公社での生活』をとても気に入っている……」
わたし は 『 こうしゃ での せいかつ 』 をとても きにいって いる ……」
Watashi ha 『 Kousha deno Seikatsu 』 wototemo Kiniitte iru ……」
≪私のお気に入り≫ → 朝の静謐な空気
≪ わたし のお きにいり ≫ → あさ の せいひつ な くうき
≪ Watashi noo Kiniiri ≫ → Asa no Seihitsu na Kuuki
≪私のお気に入り≫ → 洗剤の香り
≪ わたし のお きにいり ≫ → せんざい の かおり
≪ Watashi noo Kiniiri ≫ → Senzai no Kaori
≪私のお気に入り≫ → 空と雲と太陽と
≪ わたし のお きにいり ≫ → そら と くも と たいよう と
≪ Watashi noo Kiniiri ≫ → Sora to Kumo to Taiyou to
≪私のお気に入り≫ → 自由な体
≪ わたし のお きにいり ≫ → じゆう な からだ
≪ Watashi noo Kiniiri ≫ → Jiyuu na Karada
嗚呼...それら全ては 病室のベッドの上に
ああ ... それら すべて は びょうしつ の べっど の うえに
Aa ... sorera Subete ha Byoushitsu no beddo no Ueni
嗚呼...無かったものばかりだ――≪私は幸せだ≫
ああ ... なか ったものばかりだ ――≪ わたし は しあわせ だ ≫
Aa ... Naka ttamonobakarida ――≪ Watashi ha Shiawase da ≫
「私たちには、それぞれ公社の大人の人が担当についている。
「 わたしたち には 、 それぞれ こうしゃ の おとな の にん が たんとう についている 。
「 Watashitachi niha 、 sorezore Kousha no Otona no Nin ga Tantou nitsuiteiru 。
訓練でも仕事でもいつも一緒なので、
くんれん でも しごと でもいつも いっしょな ので 、
Kunren demo Shigoto demoitsumo Isshona node 、
二人まとめてフラテッロと名付けられた。
ふたり まとめて ふらてっろ と なづけ られた 。
Futari matomete furaterro to Nazuke rareta 。
『フラテッロ』...それは"兄弟"という意味だ……」
『 ふらてっろ 』 ... それは " きょうだい " という いみ だ ……」
『 furaterro 』 ... soreha " Kyoudai " toiu Imi da ……」
政治家の暗殺 現場の下見
せいじか の あんさつ げんば の したみ
Seijika no Ansatsu Genba no Shitami
逃走経路の確認 それも仕事の内
とうそう けいろ の かくにん それも しごと の ない
Tousou Keiro no Kakunin soremo Shigoto no Nai
裏口で出会った 少年は名乗った
うらぐち で であった しょうねん は なのった
Uraguchi de Deatta Shounen ha Nanotta
彼の名はエミリオ とてもよくしゃべる
かの めい は えみりお とてもよくしゃべる
Kano Mei ha emirio totemoyokushaberu
私は嘘を吐いてはいないけど 彼を騙しているのだろうか
わたし は うそ を はい てはいないけど かれ を だまし ているのだろうか
Watashi ha Uso wo Hai tehainaikedo Kare wo Damashi teirunodarouka
アマーティの≪ヴァイオリン≫だと彼が勘違いしたのは≪銃≫
あまーてぃ の ≪ う゛ぁいおりん ≫ だと かれ が かんちがい したのは ≪ じゅう ≫
ama^tei no ≪ vaiorin ≫ dato Kare ga Kanchigai shitanoha ≪ Juu ≫
――それが私の仕事道具だ……
―― それが わたし の しごと どうぐ だ ……
―― sorega Watashi no Shigoto Dougu da ……
「もし仕事中誰かに姿を見られたら…必ず殺せ」
「 もし しごとちゅう だれか に すがた を みら れたら … かならず ころせ 」
「 moshi Shigotochuu Dareka ni Sugata wo Mira retara … Kanarazu Korose 」
――とジャンさんは言った……
―― と じゃん さんは いっった ……
―― to jan sanha Itsutta ……
仕事が終わり 部屋を出たところで エミリオに出会った
しごと が おわり へや を でた ところで えみりお に であった
Shigoto ga Owari Heya wo Deta tokorode emirio ni Deatta
「ええと…こんな時何て言うんだっけな…ああそうか…ごめんね」
「 ええと … こんな とき なんて いう んだっけな … ああそうか … ごめんね 」
「 eeto … konna Toki Nante Iu ndakkena … aasouka … gomenne 」
「朝目が覚める度、いちばん気になることがある。
「 あさ め が さめ る ど 、 いちばん きに なることがある 。
「 Asa Me ga Same ru Do 、 ichiban Kini narukotogaaru 。
それは、今日も自分の体がちゃんと存在するかということ……」
それは 、 きょう も じぶん の からだ がちゃんと そんざい するかということ ……」
soreha 、 Kyou mo Jibun no Karada gachanto Sonzai surukatoiukoto ……」
良かった ← 動く → 『自由な体』 → 素晴らしいことだ
よか った ← うごく → 『 じゆう な からだ 』 → すばら しいことだ
Yoka tta ← Ugoku → 『 Jiyuu na Karada 』 → Subara shiikotoda
四肢を失う夢を見て 泣きながら起きる この恐怖が解りますか?
しし を うしなう ゆめ を みて なき ながら おき る この きょうふ が わかり ますか ?
Shishi wo Ushinau Yume wo Mite Naki nagara Oki ru kono Kyoufu ga Wakari masuka ?
沈みながらも見上げた水面から 差し込む陽の光 泡沫の≪幻想≫
しずみ ながらも みあげ た すいめん から さしこむ ようの ひかり ほうまつ の ≪ げんそう ≫
Shizumi nagaramo Miage ta Suimen kara Sashikomu Youno Hikari Houmatsu no ≪ Gensou ≫
浮びながらも見上げた水面より 遙かなる高みに 輝ける≪理想≫
うかび ながらも みあげ た すいめん より はるか なる たかみ に かがやけ る ≪ りそう ≫
Ukabi nagaramo Miage ta Suimen yori Haruka naru Takami ni Kagayake ru ≪ Risou ≫
≪太陽の国のお姫様≫ 黄昏に染まる海辺を走る……
≪ たいよう の くに のお ひめさま ≫ たそがれ に そま る うみべ を はしる ……
≪ Taiyou no Kuni noo Himesama ≫ Tasogare ni Soma ru Umibe wo Hashiru ……
「自由な体。優しい人達。楽しい毎日。
「 じゆう な からだ 。 やさしい ひとたち 。 たのし い まいにち 。
「 Jiyuu na Karada 。 Yasashii Hitotachi 。 Tanoshi i Mainichi 。
社会福祉公社、私はここでの生活をとても気に入っている…」
しゃかいふくし こうしゃ 、 わたし はここでの せいかつ をとても きにいって いる …」
Shakaifukushi Kousha 、 Watashi hakokodeno Seikatsu wototemo Kiniitte iru …」