何故私の顔に深い皺が刻まれたのか
なぜ わたし の かお に ふかい しわ が きざま れたのか
Naze Watashi no Kao ni Fukai Shiwa ga Kizama retanoka
教えようと老人は静かに言った
おしえ ようと ろうじん は しずか に いっった
Oshie youto Roujin ha Shizuka ni Itsutta
彼の前に腰掛けた時
かの まえ に こしかけ た とき
Kano Mae ni Koshikake ta Toki
暖炉の明かりがパチパチ音を立てた
だんろ の あかり が ぱちぱち おと を たて た
Danro no Akari ga pachipachi Oto wo Tate ta
迷った道の数の分と 傷つけた心の数を
まよった みち の かず の ふんと きずつ けた こころ の かず を
Mayotta Michi no Kazu no Funto Kizutsu keta Kokoro no Kazu wo
忘れないよう顔に刻んできた
わすれ ないよう かお に きざん できた
Wasure naiyou Kao ni Kizan dekita
驚くことはない 生きてゆくことは
おどろく ことはない いき てゆくことは
Odoroku kotohanai Iki teyukukotoha
大概そういうことなのさ
たいがい そういうことなのさ
Taigai souiukotonanosa
若いという美しさは身体の外にあるから
わかい という うつくし さは しんたい の そと にあるから
Wakai toiu Utsukushi saha Shintai no Soto niarukara
いっときは目が眩むけれど
いっときは め が くらむ けれど
ittokiha Me ga Kuramu keredo
年老いての美しさは心の中にあるから
ねん おい ての うつくし さは こころ の なかに あるから
Nen Oi teno Utsukushi saha Kokoro no Nakani arukara
気付いたものだけが美しい
きづい たものだけが うつくし い
Kizui tamonodakega Utsukushi i
そんなことを理解するために
そんなことを りかい するために
sonnakotowo Rikai surutameni
人は生きているのかも知れない
にん は いき ているのかも しれ ない
Nin ha Iki teirunokamo Shire nai
誰もが老人になれるとは 限らないじゃないかと
だれも が ろうじん になれるとは かぎら ないじゃないかと
Daremo ga Roujin ninarerutoha Kagira naijanaikato
彼は少し笑って静かに言った
かれは すこし わらって しずか に いっった
Kareha Sukoshi Waratte Shizuka ni Itsutta
生きた証の皺を恥ずかしいと
いき た しょう の しわ を はずかし いと
Iki ta Shou no Shiwa wo Hazukashi ito
思う方がおかしいだろう
おもう ほうが おかしいだろう
Omou Houga okashiidarou
君もいつか気付くだろう 悲しみの皺だけじゃない
くん もいつか きづく だろう かなしみ の しわ だけじゃない
Kun moitsuka Kizuku darou Kanashimi no Shiwa dakejanai
嬉し涙の流れを刻み
うれし なみだ の ながれ を きざみ
Ureshi Namida no Nagare wo Kizami
喜びの笑顔さえもまた
よろこび の えがお さえもまた
Yorokobi no Egao saemomata
自分の顔に刻んできたのだろう
じぶん の かお に きざん できたのだろう
Jibun no Kao ni Kizan dekitanodarou
自分の顔が好きかと訊かれたらきっと嫌いだと
じぶん の かお が すき かと きか れたらきっと きらい だと
Jibun no Kao ga Suki kato Kika retarakitto Kirai dato
答えるに決まってるけれど
こたえ るに きま ってるけれど
Kotae runi Kima tterukeredo
これでも昔の私の顔よりは少しばかり
これでも むかし の わたし の かお よりは すこし ばかり
koredemo Mukashi no Watashi no Kao yoriha Sukoshi bakari
ましになったと思っているんだよ
ましになったと おもって いるんだよ
mashininattato Omotte irundayo
そんなことを理解するために
そんなことを りかい するために
sonnakotowo Rikai surutameni
人は生まれてきたのかも知れない
にん は うまれ てきたのかも しれ ない
Nin ha Umare tekitanokamo Shire nai
四苦三十六 八苦七十二 足して108の煩悩の
し く さんじゅう ろく はち く しち じゅうに たし て 108 の ぼんのう の
Shi Ku Sanjuu Roku Hachi Ku Shichi Juuni Tashi te 108 no Bonnou no
数をまさか信じてる訳じゃない
かず をまさか しんじ てる わけ じゃない
Kazu womasaka Shinji teru Wake janai
実際その数の何倍もの悩みと
じっさい その かず の なんばい もの なやみ と
Jissai sono Kazu no Nanbai mono Nayami to
一緒に暮らして生きてきた
いっしょに くらし て いき てきた
Isshoni Kurashi te Iki tekita
若い頃に見えたものと 年老いて見えるものとの
わかい ごろに みえ たものと ねん おい て みえ るものとの
Wakai Goroni Mie tamonoto Nen Oi te Mie rumonotono
違いがいつか君にも分かるだろう
ちがい がいつか くん にも わか るだろう
Chigai gaitsuka Kun nimo Waka rudarou
本物と偽者あるいは正義について
ほんもの と にせもの あるいは せいぎ について
Honmono to Nisemono aruiha Seigi nitsuite
気付くものだけが美しい
きづく ものだけが うつくし い
Kizuku monodakega Utsukushi i
笑う門には福が来る 辛い時でも笑ってる
わらう もん には ふく が くる つらい とき でも わらって る
Warau Mon niha Fuku ga Kuru Tsurai Toki demo Waratte ru
そんな人になりたいと思わないか?
そんな にん になりたいと おもわ ないか ?
sonna Nin ninaritaito Omowa naika ?
恩は石に刻み給え 恨みは水に流し給え
おん は いし に きざみ たまえ うらみ は みず に ながし たまえ
On ha Ishi ni Kizami Tamae Urami ha Mizu ni Nagashi Tamae
胸を張って生きてゆき給え
むね を はって いき てゆき たまえ
Mune wo Hatte Iki teyuki Tamae
若いという名の花は身体の外に咲くから
わかい という めい の はな は しんたい の そと に さく から
Wakai toiu Mei no Hana ha Shintai no Soto ni Saku kara
いっときは目が眩むけれど
いっときは め が くらむ けれど
ittokiha Me ga Kuramu keredo
年老いてからの花は心の中に咲くから
ねん おい てからの はな は こころ の なかに さく から
Nen Oi tekarano Hana ha Kokoro no Nakani Saku kara
気付いたものだけが美しい
きづい たものだけが うつくし い
Kizui tamonodakega Utsukushi i
そんなことを理解するために
そんなことを りかい するために
sonnakotowo Rikai surutameni
人は生きているのかも知れない
にん は いき ているのかも しれ ない
Nin ha Iki teirunokamo Shire nai
人は生まれてきたのかも知れない
にん は うまれ てきたのかも しれ ない
Nin ha Umare tekitanokamo Shire nai