Lyric

何故私の顔に深い皺が刻まれたのか

教えようと老人は静かに言った

彼の前に腰掛けた時

暖炉の明かりがパチパチ音を立てた

迷った道の数の分と 傷つけた心の数を

忘れないよう顔に刻んできた

驚くことはない 生きてゆくことは

大概そういうことなのさ

若いという美しさは身体の外にあるから

いっときは目が眩むけれど

年老いての美しさは心の中にあるから

気付いたものだけが美しい

そんなことを理解するために

人は生きているのかも知れない

誰もが老人になれるとは 限らないじゃないかと

彼は少し笑って静かに言った

生きた証の皺を恥ずかしいと

思う方がおかしいだろう

君もいつか気付くだろう 悲しみの皺だけじゃない

嬉し涙の流れを刻み

喜びの笑顔さえもまた

自分の顔に刻んできたのだろう

自分の顔が好きかと訊かれたらきっと嫌いだと

答えるに決まってるけれど

これでも昔の私の顔よりは少しばかり

ましになったと思っているんだよ

そんなことを理解するために

人は生まれてきたのかも知れない

四苦三十六 八苦七十二 足して108の煩悩の

数をまさか信じてる訳じゃない

実際その数の何倍もの悩みと

一緒に暮らして生きてきた

若い頃に見えたものと 年老いて見えるものとの

違いがいつか君にも分かるだろう

本物と偽者あるいは正義について

気付くものだけが美しい

笑う門には福が来る 辛い時でも笑ってる

そんな人になりたいと思わないか?

恩は石に刻み給え 恨みは水に流し給え

胸を張って生きてゆき給え

若いという名の花は身体の外に咲くから

いっときは目が眩むけれど

年老いてからの花は心の中に咲くから

気付いたものだけが美しい

そんなことを理解するために

人は生きているのかも知れない

人は生まれてきたのかも知れない

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