3月の10日付で ぼくは転勤して
3 がつ の 10 ひづけ で ぼくは てんきん して
3 Gatsu no 10 Hizuke de bokuha Tenkin shite
小さな郊外の この街で暮らした
ちいさ な こうがい の この まち で くらし た
Chiisa na Kougai no kono Machi de Kurashi ta
前よりもほんのちょっとだけ 広いマンションで
まえ よりもほんのちょっとだけ ひろい まんしょん で
Mae yorimohonnochottodake Hiroi manshon de
年齢を偽った 中くらいの女と暮らした
ねんれい を にせ った なか くらいの おんな と くらし た
Nenrei wo Nise tta Naka kuraino Onna to Kurashi ta
その女は いつもビスケットをかじっていて
その おんな は いつも びすけっと をかじっていて
sono Onna ha itsumo bisuketto wokajitteite
毎晩ぼくに 性交を求めてきた
まいばん ぼくに せいこう を もとめ てきた
Maiban bokuni Seikou wo Motome tekita
あぁ どうしてぼくたちは してしまうんだろう
あぁ どうしてぼくたちは してしまうんだろう
aa doushitebokutachiha shiteshimaundarou
遠くで犬がないてる いつもの犬
とおく で いぬ がないてる いつもの いぬ
Tooku de Inu ganaiteru itsumono Inu
パイプベッドがきしんで うるさいのかなぁ
ぱいぷべっど がきしんで うるさいのかなぁ
paipubeddo gakishinde urusainokanaa
そうだ 遠いあの日 夕暮れの舗道で
そうだ とおい あの にち ゆうぐれ の ほどう で
souda Tooi ano Nichi Yuugure no Hodou de
ぼくらは手を握って 未来だけ見つめていた
ぼくらは て を にぎって みらい だけ みつ めていた
bokuraha Te wo Nigitte Mirai dake Mitsu meteita
早朝からの出勤で ぼくは疲れていて
そうちょう からの しゅっきん で ぼくは つかれ ていて
Souchou karano Shukkin de bokuha Tsukare teite
昼の休みに 屋上で少しねむった
ひる の やすみ に おくじょう で すこし ねむった
Hiru no Yasumi ni Okujou de Sukoshi nemutta
ふりそそぐ陽射しの中で ユメをみる
ふりそそぐ ひざし の なか で ゆめ をみる
furisosogu Hizashi no Naka de yume womiru
体の中に あの女が住みつくユメ
からだ の なかに あの おんな が すみ つく ゆめ
Karada no Nakani ano Onna ga Sumi tsuku yume
あぁ 子供の声がする 昼下がり
あぁ こども の こえ がする ひるさがり
aa Kodomo no Koe gasuru Hirusagari
喉の奥で渇いてく ユメのにおい
のど の おく で かつ いてく ゆめ のにおい
Nodo no Oku de Katsu iteku yume nonioi
この青空に消えてく 蜃気楼のよう…
この あおぞら に きえ てく しんきろう のよう …
kono Aozora ni Kie teku Shinkirou noyou …
あぁ どうしてぼくたちは 抱き合うんだろう
あぁ どうしてぼくたちは だき あう んだろう
aa doushitebokutachiha Daki Au ndarou
腰のあたりに感じる 重たい熱
こし のあたりに かんじ る おもた い ねつ
Koshi noatarini Kanji ru Omota i Netsu
あらわれては消えてゆく 蜃気楼のよう…
あらわれては きえ てゆく しんきろう のよう …
arawareteha Kie teyuku Shinkirou noyou …