あれは麻疹で早退けした午後
あれは ましん で そうたい けした ごご
areha Mashin de Soutai keshita Gogo
母の背中で少し眠った
はは の せなか で すこし ねむった
Haha no Senaka de Sukoshi Nemutta
ゆるい坂道 降りさった頃に
ゆるい さかみち おり さった ごろに
yurui Sakamichi Ori satta Goroni
どこか泣きたい気持ちになった
どこか なき たい きもち になった
dokoka Naki tai Kimochi ninatta
ぼんやり開けた目に
ぼんやり ひらけ た めに
bonyari Hirake ta Meni
いっぱいのベニトンボ
いっぱいの べにとんぼ
ippaino benitonbo
大事なひと時 悼むように
だいじ なひと とき いたむ ように
Daiji nahito Toki Itamu youni
紅く紅く燃えて
あかく あかく もえ て
Akaku Akaku Moe te
夕焼けへと
ゆうやけ へと
Yuuyake heto
溶けていったね
とけ ていったね
Toke teittane
37度6分を持て余した部屋
37 ど 6 ふん を もてあまし た へや
37 Do 6 Fun wo Moteamashi ta Heya
小さな残像 息をしている
ちいさ な ざんぞう いき をしている
Chiisa na Zanzou Iki woshiteiru
ひとりの生活も
ひとりの せいかつ も
hitorino Seikatsu mo
苦になんてならないと
くに なんてならないと
Kuni nantenaranaito
それでも記憶の片隅には
それでも きおく の かたすみ には
soredemo Kioku no Katasumi niha
紅く紅く染まる
あかく あかく そま る
Akaku Akaku Soma ru
一枚の絵
いちまい の え
Ichimai no E
変わることなく
かわ ることなく
Kawa rukotonaku