「あの頃してやった事、全てが無駄とは思いたくないが、
「 あの ごろ してやった こと 、 すべて が むだ とは おもい たくないが 、
「 ano Goro shiteyatta Koto 、 Subete ga Muda toha Omoi takunaiga 、
彼女はもう、あの物語を覚えてはいない……」
かのじょ はもう 、 あの ものがたり を おぼえ てはいない ……」
Kanojo hamou 、 ano Monogatari wo Oboe tehainai ……」
≪女の子...天使のような女の子...≫ 可愛いお姫様
≪ おんなのこ ... てんし のような おんなのこ ... ≫ かわいい お ひめさま
≪ Onnanoko ... Tenshi noyouna Onnanoko ... ≫ Kawaii o Himesama
≪女の子...天使のような女の子...≫ 可哀想なお姫様
≪ おんなのこ ... てんし のような おんなのこ ... ≫ かわいそう なお ひめさま
≪ Onnanoko ... Tenshi noyouna Onnanoko ... ≫ Kawaisou nao Himesama
≪従者≫を連れて ≪城下町≫へ≪お忍び≫ 姫を狙う 蒼い影の≪馬車≫
≪ じゅうしゃ ≫ を つれ て ≪ じょうかまち ≫ へ ≪ お しのび ≫ ひめ を ねらう あおい かげ の ≪ ばしゃ ≫
≪ Juusha ≫ wo Tsure te ≪ Joukamachi ≫ he ≪ o Shinobi ≫ Hime wo Nerau Aoi Kage no ≪ Basha ≫
≪空≫を抱いて ≪大地≫へ≪接吻≫ 姫を攫う 黒い影の≪死神≫
≪ そら ≫ を だい て ≪ だいち ≫ へ ≪ せっぷん ≫ ひめ を さらう くろい かげ の ≪ しにがみ ≫
≪ Sora ≫ wo Dai te ≪ Daichi ≫ he ≪ Seppun ≫ Hime wo Sarau Kuroi Kage no ≪ Shinigami ≫
彼女を殺そうとしたのは 多額の保険金を掛けていた
かのじょ を ころそ うとしたのは たがく の ほけんきん を かけ ていた
Kanojo wo Koroso utoshitanoha Tagaku no Hokenkin wo Kake teita
倒産寸前の町工場の 経営者たる彼女の父親 ――実の両親だった……
とうさん すんぜん の まちこうじょう の けいえいしゃ たる かのじょ の ちちおや ―― み の りょうしん だった ……
Tousan Sunzen no Machikoujou no Keieisha taru Kanojo no Chichioya ―― Mi no Ryoushin datta ……
「――そして、≪天使≫の名を持った≪少女≫は、≪義体≫として生まれ変わった……」
「―― そして 、≪ てんし ≫ の めい を もった ≪ しょうじょ ≫ は 、≪ ぎ からだ ≫ として うまれ かわ った ……」
「―― soshite 、≪ Tenshi ≫ no Mei wo Motta ≪ Shoujo ≫ ha 、≪ Gi Karada ≫ toshite Umare Kawa tta ……」
『パスタの国の王子様
『 ぱすた の くに の おうじさま
『 pasuta no Kuni no Oujisama
~Il principe del regno della pasta~』
Il principe del regno della pasta 』
Il principe del regno della pasta 』
――昔々あるところに パスタの国がありました
―― むかしむかし あるところに ぱすた の くに がありました
―― Mukashimukashi arutokoroni pasuta no Kuni gaarimashita
その国にはパスタの大好きな 王子様がおりました
その くに には ぱすた の だいすき な おうじさま がおりました
sono Kuni niha pasuta no Daisuki na Oujisama gaorimashita
一人ぼっちの王子は大好きなパスタを 一緒に食べる友達が欲しくて
ひとり ぼっちの おうじ は だいすき な ぱすた を いっしょに たべ る ともだち が ほし くて
Hitori botchino Ouji ha Daisuki na pasuta wo Isshoni Tabe ru Tomodachi ga Hoshi kute
友達を探す旅に出たのでした……
ともだち を さがす たび に でた のでした ……
Tomodachi wo Sagasu Tabi ni Deta nodeshita ……
「アンジェリカはよほど俺の作り話を気に入ったらしくて、
「 あんじぇりか はよほど おれ の つくり はなし を きにいった らしくて 、
「 anjierika hayohodo Ore no Tsukuri Hanashi wo Kiniitta rashikute 、
合う度にその続きをせがんだ……」
あう ど にその つづき をせがんだ ……」
Au Do nisono Tsuzuki woseganda ……」
風渡る草原 → 荒れ狂う海原 →
かぜ わたる そうげん → あれ くるう うなばら →
Kaze Wataru Sougen → Are Kuruu Unabara →
凍てついた雪原 → 冒険の旅は続く...
こおて ついた せつげん → ぼうけん の たび は つづく ...
Koote tsuita Setsugen → Bouken no Tabi ha Tsuzuku ...
邪悪な≪火竜≫と囚われの≪お姫様≫
じゃあく な ≪ ひ りゅう ≫ と とらわ れの ≪ お ひめさま ≫
Jaaku na ≪ Hi Ryuu ≫ to Torawa reno ≪ o Himesama ≫
呪われし頂を 火の山を目指した……
のろわ れし いただき を ひ の やま を めざし た ……
Norowa reshi Itadaki wo Hi no Yama wo Mezashi ta ……
迫り上がる岩壁を → 両手で捩じ伏せて
せまり あが る がんぺき を → りょうて で ねじ ふせ て
Semari Aga ru Ganpeki wo → Ryoute de Neji Fuse te
燃え上がる火海を → 一足で跳び越えて
もえあが る ひ うみ を → いっそく で とび こえ て
Moeaga ru Hi Umi wo → Issoku de Tobi Koe te
迫り来る腐の風に → 触れても億さずに
せまり くる ふ の かぜ に → ふれて も おく さずに
Semari Kuru Fu no Kaze ni → Furete mo Oku sazuni
見え来たる頂きに → 遂に手を掛けた...
みえ きた る いただき に → ついに て を かけ た ...
Mie Kita ru Itadaki ni → Tsuini Te wo Kake ta ...
――岩に刺さった伝説のフォークを引き抜いたら
―― いわ に ささ った でんせつ の ふぉーく を ひきぬい たら
―― Iwa ni Sasa tta Densetsu no fo^ku wo Hikinui tara
その時 天空より巨大な影が舞い降りた……
その とき てんくう より きょだい な かげ が まい おり た ……
sono Toki Tenkuu yori Kyodai na Kage ga Mai Ori ta ……
囚われの姫を 助けた王子の 冒険を綴った絵本それは
とらわ れの ひめ を たすけ た おうじ の ぼうけん を とった えほん それは
Torawa reno Hime wo Tasuke ta Ouji no Bouken wo Totta Ehon soreha
――茨の塔で眠り続ける ≪可哀想なお姫様≫の夢…
―― いばら の とう で ねむり つづけ る ≪ かわいそう なお ひめさま ≫ の ゆめ …
―― Ibara no Tou de Nemuri Tsuzuke ru ≪ Kawaisou nao Himesama ≫ no Yume …
「アンジェリカは
「 あんじぇりか は
「 anjierika ha
一番最初に義体の能力を示したが、
いちばんさいしょ に ぎ からだ の のうりょく を しめし たが 、
Ichibansaisho ni Gi Karada no Nouryoku wo Shimeshi taga 、
最も初期に義体化された検体だけに、
もっとも しょき に ぎ からだ かさ れた けん からだ だけに 、
Mottomo Shoki ni Gi Karada Kasa reta Ken Karada dakeni 、
『薬』の副作用を最初に示したのも彼女だった……」
『 くすり 』 の ふくさよう を さいしょ に しめし たのも かのじょ だった ……」
『 Kusuri 』 no Fukusayou wo Saisho ni Shimeshi tanomo Kanojo datta ……」
≪お姫様... お姫様...≫ 楽しいあの歌も
≪ お ひめさま ... お ひめさま ... ≫ たのし いあの うた も
≪ o Himesama ... o Himesama ... ≫ Tanoshi iano Uta mo
≪お姫様... お姫様...≫ 優しいあの人も
≪ お ひめさま ... お ひめさま ... ≫ やさしい あの にん も
≪ o Himesama ... o Himesama ... ≫ Yasashii ano Nin mo
≪お姫様... お姫様...≫ 愛しいあの日々も
≪ お ひめさま ... お ひめさま ... ≫ いとしい あの ひび も
≪ o Himesama ... o Himesama ... ≫ Itoshii ano Hibi mo
≪お姫様... お姫様...≫ 何れは『忘れ去る』
≪ お ひめさま ... お ひめさま ... ≫ いずれ は 『 わすれ さる 』
≪ o Himesama ... o Himesama ... ≫ Izure ha 『 Wasure Saru 』
「――そして、今では、
「―― そして 、 いま では 、
「―― soshite 、 Ima deha 、
あの子に物語を聞かせることもなくなった。
あの こ に ものがたり を きか せることもなくなった 。
ano Ko ni Monogatari wo Kika serukotomonakunatta 。
あの頃してやった事、全てが無駄とは思いたくないが、
あの ごろ してやった こと 、 すべて が むだ とは おもい たくないが 、
ano Goro shiteyatta Koto 、 Subete ga Muda toha Omoi takunaiga 、
彼女はもう、あの物語を覚えてはいない……」
かのじょ はもう 、 あの ものがたり を おぼえ てはいない ……」
Kanojo hamou 、 ano Monogatari wo Oboe tehainai ……」