「料理をするのも、絵を描くことも、楽器を弾くことも楽しいし、
「 りょうり をするのも 、 え を えがく ことも 、 がっき を ひく ことも たのし いし 、
「 Ryouri wosurunomo 、 E wo Egaku kotomo 、 Gakki wo Hiku kotomo Tanoshi ishi 、
ここには読み切れないほどの本がある……」
ここには よみ きれ ないほどの ほん がある ……」
kokoniha Yomi Kire naihodono Hon gaaru ……」
そしてなにより私は、無為に時を過ごす喜びを知っている
そしてなにより わたし は 、 むい に とき を すご す よろこび を しって いる
soshitenaniyori Watashi ha 、 Mui ni Toki wo Sugo su Yorokobi wo Shitte iru
それは遠い昔≪お父さん≫か誰かに教えてもらったもの
それは とおい むかし ≪ お とうさん ≫ か だれか に おしえ てもらったもの
soreha Tooi Mukashi ≪ o Tousan ≫ ka Dareka ni Oshie temorattamono
――そんな気がするのだ……
―― そんな きが するのだ ……
―― sonna Kiga surunoda ……
「7ヤードで必中できるようになるまで帰ってくるな」
「 7 やーど で ひっちゅう できるようになるまで かえって くるな 」
「 7 ya^do de Hitchuu dekiruyouninarumade Kaette kuruna 」
――と≪少女の担当官≫は言った…
―― と ≪ しょうじょ の たんとうかん ≫ は いっった …
―― to ≪ Shoujo no Tantoukan ≫ ha Itsutta …
少女が奏でる夜と朝の≪輪舞曲≫弾丸は雨の中踊り続けた……
しょうじょ が かなで る よる と あさ の ≪ りんぶ きょく ≫ だんがん は あめ の なか おどり つづけ た ……
Shoujo ga Kanade ru Yoru to Asa no ≪ Rinbu Kyoku ≫ Dangan ha Ame no Naka Odori Tsuzuke ta ……
命令には服従――『条件付け』とは『鉄の≪掟≫』かい...
めいれい には ふくじゅう ――『 じょうけんづけ 』 とは 『 てつ の ≪ おきて ≫』 かい ...
Meirei niha Fukujuu ――『 Joukenzuke 』 toha 『 Tetsu no ≪ Okite ≫』 kai ...
≪お嬢ちゃん...お嬢ちゃん...≫
≪ お じょう ちゃん ... お じょう ちゃん ... ≫
≪ o Jou chan ... o Jou chan ... ≫
「教養や好奇心のない奴は良い兵士になれないからな」
「 きょうよう や こうきしん のない やつ は よい へいし になれないからな 」
「 Kyouyou ya Koukishin nonai Yatsu ha Yoi Heishi ninarenaikarana 」
――と≪無愛想な担当官≫は言った…
―― と ≪ ぶあいそう な たんとうかん ≫ は いっった …
―― to ≪ Buaisou na Tantoukan ≫ ha Itsutta …
少女の≪写真≫とても大事そうに 本を抱えて微笑んでいた……
しょうじょ の ≪ しゃしん ≫ とても だいじ そうに ほん を だえ て ほほえん でいた ……
Shoujo no ≪ Shashin ≫ totemo Daiji souni Hon wo Dae te Hohoen deita ……
記憶の書き換え――『条件付け』とは『鉄の≪檻≫』かい...
きおく の かきかえ ――『 じょうけんづけ 』 とは 『 てつ の ≪ らん ≫』 かい ...
Kioku no Kakikae ――『 Joukenzuke 』 toha 『 Tetsu no ≪ Ran ≫』 kai ...
≪お嬢ちゃん...お嬢ちゃん...≫
≪ お じょう ちゃん ... お じょう ちゃん ... ≫
≪ o Jou chan ... o Jou chan ... ≫
「射撃の練習はしばらく中止となり、
「 しゃげき の れんしゅう はしばらく ちゅうし となり 、
「 Shageki no Renshuu hashibaraku Chuushi tonari 、
翌日、私達は朝から出かけることとなった……」
よくじつ 、 わたしたち は あさ から でか けることとなった ……」
Yokujitsu 、 Watashitachi ha Asa kara Deka kerukototonatta ……」
「――それから、私たちは何度か湖に足を運んだ。
「―― それから 、 わたしたち は なんど か みずうみ に あし を はこん だ 。
「―― sorekara 、 Watashitachi ha Nando ka Mizuumi ni Ashi wo Hakon da 。
ロンバルディア、ヴェネト、ピエモンテ……。
ろんばるでぃあ 、 う゛ぇねと 、 ぴえもんて ……。
ronbarudia 、 veneto 、 piemonte ……。
公社での私たちはいつも無口で、
こうしゃ での わたしたち はいつも むくち で 、
Kousha deno Watashitachi haitsumo Mukuchi de 、
お互い教官と教え子の役割を忠実にこなしたが、
お たがい きょうかん と おしえご の やくわり を ちゅうじつ にこなしたが 、
o Tagai Kyoukan to Oshiego no Yakuwari wo Chuujitsu nikonashitaga 、
何故かいつも湖では会話が進んだ。
なぜか いつも みずうみ では かいわ が すすん だ 。
Nazeka itsumo Mizuumi deha Kaiwa ga Susun da 。
それが二人の暗黙のルールだったのだ……」
それが ふたり の あんもく の るーる だったのだ ……」
sorega Futari no Anmoku no ru^ru dattanoda ……」
「正当防衛以外では抜いてはならない」
「 せいとうぼうえい いがい では ぬい てはならない 」
「 Seitoubouei Igai deha Nui tehanaranai 」
地下鉄に湧くチンピラ相手のちょっとした実地訓練
ちかてつ に わく ちんぴら あいて のちょっとした じっち くんれん
Chikatetsu ni Waku chinpira Aite nochottoshita Jitchi Kunren
煌めく≪刃物≫が突き刺さる瞬間の衝撃
こう めく ≪ はもの ≫ が つき ささ る しゅんかん の しょうげき
Kou meku ≪ Hamono ≫ ga Tsuki Sasa ru Shunkan no Shougeki
「射撃の腕より抜くタイミング」
「 しゃげき の うで より ぬく たいみんぐ 」
「 Shageki no Ude yori Nuku taimingu 」
重要だと教わってたのに……
じゅうよう だと おしわ ってたのに ……
Juuyou dato Oshiwa ttetanoni ……
嗚呼...刃物の間合いに入ってから 銃を使うと決めても
ああ ... はもの の まあい に いっって から じゅう を つかう と きめ ても
Aa ... Hamono no Maai ni Itsutte kara Juu wo Tsukau to Kime temo
嗚呼...相手の間合いに入ってから 引き金を引いても遅いんだ
ああ ... あいて の まあい に いっって から ひきがね を ひい ても おそい んだ
Aa ... Aite no Maai ni Itsutte kara Hikigane wo Hii temo Osoi nda
――今度撃つ時は決して躊躇わない……
―― こんど うつ とき は けっして ためらわ ない ……
―― Kondo Utsu Toki ha Kesshite Tamerawa nai ……
公社の射撃訓練場 → ジャムった少女のSIG →
こうしゃ の しゃげき くんれん ば → じゃむ った しょうじょ の SIG →
Kousha no Shageki Kunren Ba → jamu tta Shoujo no SIG →
素早く詰め寄るラバロ → 拳で弾け飛んだヘンリエッタ →
すばやく づめ よる らばろ → こぶし で ひけ とん だ へんりえった →
Subayaku Zume Yoru rabaro → Kobushi de Hike Ton da henrietta →
弧を描きジョゼを張り飛ばす →
こ を えがき じょぜ を はり とば す →
Ko wo Egaki joze wo Hari Toba su →
その背後には立ち上がったヘンリエッタ →
その はいご には たちあが った へんりえった →
sono Haigo niha Tachiaga tta henrietta →
持ち上げた凶器を構えて → ラバロに照準を合わせた →
もち あげ た きょうき を かまえ て → らばろ に しょうじゅん を あわ せた →
Mochi Age ta Kyouki wo Kamae te → rabaro ni Shoujun wo Awa seta →
それを見た私は引き金を引いた → 今度は躊躇わなかった……
それを みた わたし は ひきがね を ひい た → こんど は ためらわ なかった ……
sorewo Mita Watashi ha Hikigane wo Hii ta → Kondo ha Tamerawa nakatta ……
「私が退院して間もなくラバロさんは公社を去った。
「 わたし が たいいん して かん もなく らばろ さんは こうしゃ を さった 。
「 Watashi ga Taiin shite Kan monaku rabaro sanha Kousha wo Satta 。
宿舎の鍵と古びた眼鏡、数えきれない想い出を遺して。
しゅくしゃ の かぎ と ふるび た めがね 、 かぞえ きれない おもいで を のこし て 。
Shukusha no Kagi to Furubi ta Megane 、 Kazoe kirenai Omoide wo Nokoshi te 。
私が彼の姿を見たのはそれが最後だった……」
わたし が かの すがた を みた のはそれが さいご だった ……」
Watashi ga Kano Sugata wo Mita nohasorega Saigo datta ……」
「この眼鏡をかけてる間はおとなしいクラエス」
「 この めがね をかけてる かん はおとなしい くらえす 」
「 kono Megane wokaketeru Kan haotonashii kuraesu 」
書き換え可能な『命令』じゃない... 血の通った『約束』
かきかえ かのうな 『 めいれい 』 じゃない ... ち の かよった 『 やくそく 』
Kakikae Kanouna 『 Meirei 』 janai ... Chi no Kayotta 『 Yakusoku 』
そしてなにより私は、無為に時を過ごす喜びを知っている
そしてなにより わたし は 、 むい に とき を すご す よろこび を しって いる
soshitenaniyori Watashi ha 、 Mui ni Toki wo Sugo su Yorokobi wo Shitte iru
それは遠い昔≪お父さん≫か誰かに教えてもらったもの
それは とおい むかし ≪ お とうさん ≫ か だれか に おしえ てもらったもの
soreha Tooi Mukashi ≪ o Tousan ≫ ka Dareka ni Oshie temorattamono
――そんな気がするのだ……
―― そんな きが するのだ ……
―― sonna Kiga surunoda ……