万雷の死が暗澹と 降り注ぐ不夜城を
ばんらい の し が あんたん と おり そそぐ ふやじょう を
Banrai no Shi ga Antan to Ori Sosogu Fuyajou wo
背にして二人は 走る――――
せ にして ふたり は はしる ――――
Se nishite Futari ha Hashiru ――――
「魔女に囲われていた一人の少年と一人の少女は、
「 まじょ に かこわ れていた ひとり の しょうねん と ひとり の しょうじょ は 、
「 Majo ni Kakowa reteita Hitori no Shounen to Hitori no Shoujo ha 、
監視の目を縫うようにして脱出に成功する。
かんし の め を ぬう ようにして だっしゅつ に せいこう する 。
Kanshi no Me wo Nuu younishite Dasshutsu ni Seikou suru 。
共に囚われている者達を見捨てるような形で。
ともに とらわ れている もの たち を みすて るような かたち で 。
Tomoni Torawa reteiru Mono Tachi wo Misute ruyouna Katachi de 。
けれど、いつか必ず助けられる機が訪れると信じて……」
けれど 、 いつか かならず たすけ られる き が おとずれ ると しんじ て ……」
keredo 、 itsuka Kanarazu Tasuke rareru Ki ga Otozure ruto Shinji te ……」
「振り返るな、足を前に運べ!」
「 ふりかえる な 、 あし を まえ に はこべ ! 」
「 Furikaeru na 、 Ashi wo Mae ni Hakobe ! 」
「わ、わかってるっ」
「 わ 、 わかってるっ 」
「 wa 、 wakatterutsu 」
気付いた時には 形振り構わず不意に駆け出していた
きづい た ときに は かたち ふり かまわ ず ふい に かけ だし ていた
Kizui ta Tokini ha Katachi Furi Kamawa zu Fui ni Kake Dashi teita
折れていると思った心をまた 奮いたたせてくれた
おれ ていると おもった こころ をまた ふるい たたせてくれた
Ore teiruto Omotta Kokoro womata Furui tatasetekureta
一人じゃない...互いの存在
ひとり じゃない ... たがい の そんざい
Hitori janai ... Tagai no Sonzai
二人が逃げれば 残された者の処遇にどんな酷い
ふたり が にげ れば のこさ れた もの の しょぐう にどんな ひどい
Futari ga Nige reba Nokosa reta Mono no Shoguu nidonna Hidoi
影響を及ぼしてしまうだろう?
えいきょう を およぼ してしまうだろう ?
Eikyou wo Oyobo shiteshimaudarou ?
想像をすることさえも怖く
そうぞう をすることさえも こわく
Souzou wosurukotosaemo Kowaku
必死に思考押し殺した――――
ひっし に しこう おし ころし た ――――
Hisshi ni Shikou Oshi Koroshi ta ――――
月明かり その色彩は偽者の夜だけを染め上げて
がつ あかり その しきさい は にせもの の よる だけを そめ あげ て
Gatsu Akari sono Shikisai ha Nisemono no Yoru dakewo Some Age te
諦観めいた囀りを 最果てに照らしだす 無垢なる残骸を憂い...
てい かん めいた さえずり を さい はて に てら しだす むく なる ざんがい を うれい ...
Tei Kan meita Saezuri wo Sai Hate ni Tera shidasu Muku naru Zangai wo Urei ...
幾夜を徹して 街へ戻っても帰る場所なんてなく
き よる を てっし て まち へ もどって も かえる ばしょ なんてなく
Ki Yoru wo Tesshi te Machi he Modotte mo Kaeru Basho nantenaku
家族はもうどこにもいないのだと わかりきった事実を
かぞく はもうどこにもいないのだと わかりきった じじつ を
Kazoku hamoudokonimoinainodato wakarikitta Jijitsu wo
突きつけられ...言葉を失う
つき つけられ ... ことば を うしなう
Tsuki tsukerare ... Kotoba wo Ushinau
旧知の誰かに 見つかることさえ許されないと知った
きゅうち の だれか に みつ かることさえ ゆるさ れないと しった
Kyuuchi no Dareka ni Mitsu karukotosae Yurusa renaito Shitta
魔女の元へ連れ戻されてしまう
まじょ の もと へ つれ もどさ れてしまう
Majo no Moto he Tsure Modosa reteshimau
ゆっくりと眠ることさえできず...
ゆっくりと ねむる ことさえできず ...
yukkurito Nemuru kotosaedekizu ...
自由は虚空に掻き消え――――
じゆう は きょくう に かき きえ ――――
Jiyuu ha Kyokuu ni Kaki Kie ――――
ah...遠く離れた
ah... とおく はなれ た
ah... Tooku Hanare ta
異国にまで逃げる路銀もない二人
いこく にまで にげ る みち ぎん もない ふたり
Ikoku nimade Nige ru Michi Gin monai Futari
この地から離れたとして 安寧の瞬間など訪れない
この ち から はなれ たとして あんねい の しゅんかん など おとずれ ない
kono Chi kara Hanare tatoshite Annei no Shunkan nado Otozure nai
身体に焼きつけられた 永遠に足枷となる消えない烙印
しんたい に やき つけられた えいえん に あしかせ となる きえ ない らくいん
Shintai ni Yaki tsukerareta Eien ni Ashikase tonaru Kie nai Rakuin
その烙印を見咎められれば すぐに魔女に引き渡されるだろう
その らくいん を みとがめ られれば すぐに まじょ に ひきわたさ れるだろう
sono Rakuin wo Mitogame rarereba suguni Majo ni Hikiwatasa rerudarou
立ち上がれ 未だ囚われ救いを待ち続ける友のため
たちあが れ いまだ とらわ れ すくい を まち つづけ る とも のため
Tachiaga re Imada Torawa re Sukui wo Machi Tsuzuke ru Tomo notame
その意思だけは失くさない
その いし だけは なく さない
sono Ishi dakeha Naku sanai
この傷に誓うんだ 夜天を睨んで
この きず に ちかう んだ よる てん を にらん で
kono Kizu ni Chikau nda Yoru Ten wo Niran de
月明かり その色彩は偽物の夜だけを染め上げて
がつ あかり その しきさい は にせもの の よる だけを そめ あげ て
Gatsu Akari sono Shikisai ha Nisemono no Yoru dakewo Some Age te
諦観めいた囀りを 最果てに照らしだす 無垢なる残骸を憂い...
てい かん めいた さえずり を さい はて に てら しだす むく なる ざんがい を うれい ...
Tei Kan meita Saezuri wo Sai Hate ni Tera shidasu Muku naru Zangai wo Urei ...
「ね、顔色が悪いよ?」
「 ね 、 かおいろ が わるい よ ? 」
「 ne 、 Kaoiro ga Warui yo ? 」
「君こそ真っ青だ。けど、いつまでも怖がってばかりもいられない」
「 くん こそ まっさお だ 。 けど 、 いつまでも こわが ってばかりもいられない 」
「 Kun koso Massao da 。 kedo 、 itsumademo Kowaga ttebakarimoirarenai 」
「もう、わかってるっての!」
「 もう 、 わかってるっての ! 」
「 mou 、 wakatterutteno ! 」
「仲間を助けると誓った確かな決意。
「 なかま を たすけ ると ちかった たしか な けつい 。
「 Nakama wo Tasuke ruto Chikatta Tashika na Ketsui 。
これを一夜限りの自由になんてしないと、二人は中空を睨んで……」
これを いちや かぎり の じゆう になんてしないと 、 ふたり は ちゅうくう を にらん で ……」
korewo Ichiya Kagiri no Jiyuu ninanteshinaito 、 Futari ha Chuukuu wo Niran de ……」
「一瞬でした決意など、一瞬で消えてしまうものだ――――」
「 いっしゅん でした けつい など 、 いっしゅん で きえ てしまうものだ ――――」
「 Isshun deshita Ketsui nado 、 Isshun de Kie teshimaumonoda ――――」