「名前も知れない、小さな村。
「 なまえ も しれ ない 、 ちいさ な むら 。
「 Namae mo Shire nai 、 Chiisa na Mura 。
村人たちは神を深く信仰し、慎ましく暮らしていた。
むらびと たちは かみ を ふかく しんこう し 、 つつしま しく くらし ていた 。
Murabito tachiha Kami wo Fukaku Shinkou shi 、 Tsutsushima shiku Kurashi teita 。
そこに、一際敬虔な夫婦がいたという。
そこに 、 いち きわ けいけん な ふうふ がいたという 。
sokoni 、 Ichi Kiwa Keiken na Fuufu gaitatoiu 。
皆から愛され、穏やかに、平穏に。小さな幸せと共に」
みな から あいさ れ 、 おだや かに 、 へいおん に 。 ちいさ な しあわせ と ともに 」
Mina kara Aisa re 、 Odaya kani 、 Heion ni 。 Chiisa na Shiawase to Tomoni 」
「彼らには、たったひとつだけ不幸があった。
「 かれら には 、 たったひとつだけ ふこう があった 。
「 Karera niha 、 tattahitotsudake Fukou gaatta 。
夫婦は長らく、子を授かる事ができなかった」
ふうふ は ながら く 、 こ を さずか る こと ができなかった 」
Fuufu ha Nagara ku 、 Ko wo Sazuka ru Koto gadekinakatta 」
「妻は祈る」「夫も祈る」
「 つま は いのる 」「 おっと も いのる 」
「 Tsuma ha Inoru 」「 Otto mo Inoru 」
「神より、新たな命を授かるべく。
「 かみ より 、 あらた な いのち を さずか るべく 。
「 Kami yori 、 Arata na Inochi wo Sazuka rubeku 。
そうして、漸く。村の誰もが二人を祝福する----はずだった」
そうして 、 やうやく 。 むら の だれも が ふたり を しゅくふく する ---- はずだった 」
soushite 、 Yauyaku 。 Mura no Daremo ga Futari wo Shukufuku suru ---- hazudatta 」
もしも罪悪に重さがあるのなら
もしも ざいあく に おもさ があるのなら
moshimo Zaiaku ni Omosa gaarunonara
生を授かって 小さな身にかかる負荷に惑う
なま を さずか って ちいさ な みに かかる ふか に まどう
Nama wo Sazuka tte Chiisa na Mini kakaru Fuka ni Madou
重なった産声は過ちを悔いてか
かさなった うぶごえ は あやまち を くい てか
Kasanatta Ubugoe ha Ayamachi wo Kui teka
神に赦されぬ双子という宿業 禁忌の子ら 呪いの子ら
かみ に ゆるさ れぬ ふたご という しゅくごう きんき の こ ら のろい の こ ら
Kami ni Yurusa renu Futago toiu Shukugou Kinki no Ko ra Noroi no Ko ra
十字架の重さ分け合って 背負い生きていく
じゅうじか の おもさ わけ あって せおい いき ていく
Juujika no Omosa Wake Atte Seoi Iki teiku
きっと二人なら
きっと ふたり なら
kitto Futari nara
でも 永遠(とわ)に降ろすことはできないのですか? MyGod...
でも えいえん ( とわ ) に ふろ すことはできないのですか ? MyGod...
demo Eien ( towa ) ni Furo sukotohadekinainodesuka ? MyGod...
「やっと授かった神の贈り物にあるまじき形態。それでもと夫婦は必死に懇願する。
「 やっと さずか った かみ の おくりもの にあるまじき けいたい 。 それでもと ふうふ は ひっし に こんがん する 。
「 yatto Sazuka tta Kami no Okurimono niarumajiki Keitai 。 soredemoto Fuufu ha Hisshi ni Kongan suru 。
二人がこの村に----この世界に受け容れられるようにと」
ふたり がこの むら に ---- この せかい に うけ いれ られるようにと 」
Futari gakono Mura ni ---- kono Sekai ni Uke Ire rareruyounito 」
異物 怪物と後ろ指さされた
いぶつ かいぶつ と うしろゆび さされた
Ibutsu Kaibutsu to Ushiroyubi sasareta
全てが平等 されど敬虔さだけが不揃い ----神との距離
すべて が びょうどう されど けいけん さだけが ふぞろい ---- かみ との きょり
Subete ga Byoudou saredo Keiken sadakega Fuzoroi ---- Kami tono Kyori
普通なら さして難しくないはずの願い
ふつう なら さして むずかしく ないはずの ねがい
Futsuu nara sashite Muzukashiku naihazuno Negai
小さく儚い
ちいさ く はかない
Chiisa ku Hakanai
ねぇ、叶うのなら 二人だけで生きる希望を
ねぇ 、 かなう のなら ふたり だけで いき る きぼう を
nee 、 Kanau nonara Futari dakede Iki ru Kibou wo
あぁ リディア
あぁ りでぃあ
aa ridia
リフルにも
りふる にも
rifuru nimo
孤独の闇に囚われぬように
こどく の やみ に とらわ れぬように
Kodoku no Yami ni Torawa renuyouni
神の御慈悲が降り注ぐように
かみ の お じひ が おり そそぐ ように
Kami no O Jihi ga Ori Sosogu youni
想いは背負う罪より重くなっていた
おもい は せおう つみ より おもく なっていた
Omoi ha Seou Tsumi yori Omoku natteita
「今日もまた、姉のリディアはリフルに神の存在を説く」
「 きょう もまた 、 あね の りでぃあ は りふる に かみ の そんざい を とく 」
「 Kyou momata 、 Ane no ridia ha rifuru ni Kami no Sonzai wo Toku 」
「いい、リフル?神様はいるのです。あなたもそれを信じなさい。
「 いい 、 りふる ? かみさま はいるのです 。 あなたもそれを しんじ なさい 。
「 ii 、 rifuru ? Kamisama hairunodesu 。 anatamosorewo Shinji nasai 。
そうすれば、あなたも皆に嫌われずに、寂しい思いをせずにすむの」
そうすれば 、 あなたも みな に きらわ れずに 、 さびし い おもい をせずにすむの 」
sousureba 、 anatamo Mina ni Kirawa rezuni 、 Sabishi i Omoi wosezunisumuno 」
「頷きながらも、リフルは控えめに言葉を紡ぐ」
「 がん きながらも 、 りふる は ひかえ めに ことば を つむぐ 」
「 Gan kinagaramo 、 rifuru ha Hikae meni Kotoba wo Tsumugu 」
「……実はね。私、いつかこの村を出ようと思う。
「…… じつは ね 。 わたし 、 いつかこの むら を でよ うと おもう 。
「…… Jitsuha ne 。 Watashi 、 itsukakono Mura wo Deyo uto Omou 。
それで……その時は、リディアも、一緒に。ねぇ、来てくれるかな……?」
それで …… その とき は 、 りでぃあ も 、 いっしょに 。 ねぇ 、 きて くれるかな …… ? 」
sorede …… sono Toki ha 、 ridia mo 、 Isshoni 。 nee 、 Kite kurerukana …… ? 」
二人で 生きていくことができるなら
ふたり で いき ていくことができるなら
Futari de Iki teikukotogadekirunara
ねぇ、明日(あす)の事さえわからないけど
ねぇ 、 あした ( あす ) の こと さえわからないけど
nee 、 Ashita ( asu ) no Koto saewakaranaikedo
たったひとつの約束に 無数の願い 想いを託して
たったひとつの やくそく に むすう の ねがい おもい を たくし て
tattahitotsuno Yakusoku ni Musuu no Negai Omoi wo Takushi te
共に生きていこうと 手のひらを重ねた
ともに いき ていこうと ての ひらを おもね た
Tomoni Iki teikouto Teno hirawo Omone ta
あらゆる権利を持てず けれどきっと二人にも
あらゆる けんり を もて ず けれどきっと ふたり にも
arayuru Kenri wo Mote zu keredokitto Futari nimo
どうか救いを でも...
どうか すくい を でも ...
douka Sukui wo demo ...
夢を抱く権利くらいは与えられて---- そうでしょう? ねぇ、ねぇ...
ゆめ を だく けんり くらいは あたえ られて ---- そうでしょう ? ねぇ 、 ねぇ ...
Yume wo Daku Kenri kuraiha Atae rarete ---- soudeshou ? nee 、 nee ...
小さな望み----
ちいさ な のぞみ ----
Chiisa na Nozomi ----
「妹からのおもいがけない誘いの言葉。
「 いもうと からのおもいがけない さそい の ことば 。
「 Imouto karanoomoigakenai Sasoi no Kotoba 。
それにはっきりとは答えずに、それでも姉は包み込むように優しく……約束をした」
それにはっきりとは こたえ ずに 、 それでも あね は つつみ こむ ように やさし く …… やくそく をした 」
sorenihakkiritoha Kotae zuni 、 soredemo Ane ha Tsutsumi Komu youni Yasashi ku …… Yakusoku woshita 」
「……リフル、大丈夫。いつまでも……ずっと、一緒よ。」
「…… りふる 、 だいじょうぶ 。 いつまでも …… ずっと 、 いっしょ よ 。」
「…… rifuru 、 Daijoubu 。 itsumademo …… zutto 、 Issho yo 。」