許されない
ゆるさ れない
Yurusa renai
命がある
いのち がある
Inochi gaaru
そう 世界が存在を拒むなら
そう せかい が そんざい を こばむ なら
sou Sekai ga Sonzai wo Kobamu nara
天の巡(めぐり)に
てん の じゅん ( めぐり ) に
Ten no Jun ( meguri ) ni
抗ってでも
あらがって でも
Aragatte demo
生きていこうと誓いながら
いき ていこうと ちかい ながら
Iki teikouto Chikai nagara
二人だけ 在るように
ふたり だけ ある ように
Futari dake Aru youni
「ある日、リフルは病に倒れる。
「 ある にち 、 りふる は やに たおれ る 。
「 aru Nichi 、 rifuru ha Yani Taore ru 。
村で孤立していた彼女に手を差し伸べる者は----」
むら で こりつ していた かのじょ に て を さし のべ る もの は ---- 」
Mura de Koritsu shiteita Kanojo ni Te wo Sashi Nobe ru Mono ha ---- 」
味方など
みかた など
Mikata nado
何処にも居ない
どこ にも いな い
Doko nimo Ina i
呪われている
のろわ れている
Norowa reteiru
その命の全ては穢れ
その いのち の すべて は けがれ
sono Inochi no Subete ha Kegare
命の重さに
いのち の おもさ に
Inochi no Omosa ni
差などない筈なのに
さ などない はず なのに
Sa nadonai Hazu nanoni
医者でさえその命を
いしゃ でさえその いのち を
Isha desaesono Inochi wo
護ろうとはしない
まもろ うとはしない
Mamoro utohashinai
私独りにできることなんて----
わたし ひとり にできることなんて ----
Watashi Hitori nidekirukotonante ----
震える両の手をただ胸で組み合わせて
ふるえ る りょう の て をただ むね で くみあわせ て
Furue ru Ryou no Te wotada Mune de Kumiawase te
あなたに乞うばかり
あなたに こう ばかり
anatani Kou bakari
天よ聞け
てん よ きけ
Ten yo Kike
慈悲があるなら
じひ があるなら
Jihi gaarunara
呪いなど知らない
のろい など しら ない
Noroi nado Shira nai
この子の命に
この こ の いのち に
kono Ko no Inochi ni
庇護のあるようにと
ひご のあるようにと
Higo noaruyounito
天よ聞け
てん よ きけ
Ten yo Kike
信じた全て
しんじ た すべて
Shinji ta Subete
あの子の分までさえ
あの こ の ふん までさえ
ano Ko no Fun madesae
私がどうか背負いますからと
わたし がどうか せおい ますからと
Watashi gadouka Seoi masukarato
虚空に消える
きょくう に きえ る
Kyokuu ni Kie ru
儚い祈り
はかない いのり
Hakanai Inori
それでも今日も跪く少女は健気に
それでも きょう も ひざまづく しょうじょ は けなげ に
soredemo Kyou mo Hizamazuku Shoujo ha Kenage ni
次第に募る
しだい に つのる
Shidai ni Tsunoru
疑念が薄黒く
ぎねん が はく くろく
Ginen ga Haku Kuroku
神というまやかしだけ
かみ というまやかしだけ
Kami toiumayakashidake
それでも変えられない
それでも かえ られない
soredemo Kae rarenai
弱弱しくも笑うその顔に
じゃく よわし くも わらう その かお に
Jaku Yowashi kumo Warau sono Kao ni
今日も笑いかける
きょう も わらい かける
Kyou mo Warai kakeru
世界が害さぬよう
せかい が がいさ ぬよう
Sekai ga Gaisa nuyou
護ってあげたい
まもって あげたい
Mamotte agetai
天よ聞け
てん よ きけ
Ten yo Kike
祈りよ届け
いのり よ とどけ
Inori yo Todoke
吹いて飛ぶような命
ふい て とぶ ような いのち
Fui te Tobu youna Inochi
それでもけして消させなどしないと
それでもけして けさ せなどしないと
soredemokeshite Kesa senadoshinaito
天よ聞け
てん よ きけ
Ten yo Kike
ただ一心に
ただ いっしん に
tada Isshin ni
何のための命か
なんの ための いのち か
Nanno tameno Inochi ka
ここで消える運命になどないと
ここで きえ る うんめい になどないと
kokode Kie ru Unmei ninadonaito
「何の役にも立たない祈り。
「 なんの やくに も たた ない いのり 。
「 Nanno Yakuni mo Tata nai Inori 。
人一人さえ救うことのできぬ神--リディアは力なく頭を垂れる」
ひとひとり さえ すくう ことのできぬ かみ -- りでぃあ は ちから なく あたま を たれ る 」
Hitohitori sae Sukuu kotonodekinu Kami -- ridia ha Chikara naku Atama wo Tare ru 」
「ありがとう、でももういいんだよ。
「 ありがとう 、 でももういいんだよ 。
「 arigatou 、 demomouiindayo 。
……私はね、最初から産まれてこなければよかったんだよ」
…… わたし はね 、 さいしょ から うま れてこなければよかったんだよ 」
…… Watashi hane 、 Saisho kara Uma retekonakerebayokattandayo 」
「そんなはず……無い。そんなこと、あっていいはずが無い。
「 そんなはず …… ない 。 そんなこと 、 あっていいはずが ない 。
「 sonnahazu …… Nai 。 sonnakoto 、 atteiihazuga Nai 。
これが全部神の悪戯だなんて。そんなの、絶対認めない」
これが ぜんぶ かみ の いたずら だなんて 。 そんなの 、 ぜったい みとめ ない 」
korega Zenbu Kami no Itazura danante 。 sonnano 、 Zettai Mitome nai 」
「リディア。傍にいてくれて、ありがとう----」
「 りでぃあ 。 ぼう にいてくれて 、 ありがとう ---- 」
「 ridia 。 Bou niitekurete 、 arigatou ---- 」
許されない
ゆるさ れない
Yurusa renai
命がある
いのち がある
Inochi gaaru
そう 世界が存在を拒むなら
そう せかい が そんざい を こばむ なら
sou Sekai ga Sonzai wo Kobamu nara
私こそが
わたし こそが
Watashi kosoga
世界だったなら
せかい だったなら
Sekai dattanara
この子を許すことができただろうか
この こ を ゆるす ことができただろうか
kono Ko wo Yurusu kotogadekitadarouka
天よ聞け
てん よ きけ
Ten yo Kike
無価値な祈り
むかち な いのり
Mukachi na Inori
唾棄すべき幻想
だき すべき げんそう
Daki subeki Gensou
こんな世界は決して認めないと
こんな せかい は けっして みとめ ないと
konna Sekai ha Kesshite Mitome naito
人よ聞け
にん よ きけ
Nin yo Kike
無窮の誓い
むきゅう の ちかい
Mukyuu no Chikai
永久に傍にいるため
えいきゅう に ぼう にいるため
Eikyuu ni Bou niirutame
この命さえ手放すその刹那
この いのち さえ てばなす その せつな
kono Inochi sae Tebanasu sono Setsuna
言葉にならぬ
ことば にならぬ
Kotoba ninaranu
雷鳴にも似た
らいめい にも にた
Raimei nimo Nita
不可視なる衝撃
ふかし なる しょうげき
Fukashi naru Shougeki
声が聞こえる
こえ が きこ える
Koe ga Kiko eru
語りかけるは
かたり かけるは
Katari kakeruha
「お前こそ そう、相応しい」
「 お ぜんこ そ そう 、 ふさわし い 」
「 o Zenko so sou 、 Fusawashi i 」
「それは祝福か、あるいは呪いなのか。
「 それは しゅくふく か 、 あるいは のろい なのか 。
「 soreha Shukufuku ka 、 aruiha Noroi nanoka 。
少女(リディア)から広がり、立ち上りゆく無数の影。
しょうじょ ( りでぃあ ) から ひろが り 、 たち のぼり ゆく むすう の かげ 。
Shoujo ( ridia ) kara Hiroga ri 、 Tachi Nobori yuku Musuu no Kage 。
そしてその影はやがて全てを呑み込み始める。
そしてその かげ はやがて すべて を のみ こみ はじめ る 。
soshitesono Kage hayagate Subete wo Nomi Komi Hajime ru 。
----それこそが、新たなる魔女の誕生の瞬間だった」
---- それこそが 、 あらた なる まじょ の たんじょう の しゅんかん だった 」
---- sorekosoga 、 Arata naru Majo no Tanjou no Shunkan datta 」