「そのレギオンは、死の残響でできていた。
「 その れぎおん は 、 しの ざんきょう でできていた 。
「 sono region ha 、 Shino Zankyou dedekiteita 。
すべては魔女アイリーンの掌の上。
すべては まじょ あいりーん の てのひら の うえ 。
subeteha Majo airi^n no Tenohira no Ue 。
小さな暇潰しのための遊戯でしかない事象。
ちいさ な ひまつぶし のための ゆうぎ でしかない じしょう 。
Chiisa na Himatsubushi notameno Yuugi deshikanai Jishou 。
残響の余韻は、たった一人の少女だけが担っていた。
ざんきょう の よいん は 、 たった ひとり の しょうじょ だけが になって いた 。
Zankyou no Yoin ha 、 tatta Hitori no Shoujo dakega Ninatte ita 。
壊れモノの少女はふらつきながら塔の端に立ち、
こわれ もの の しょうじょ はふらつきながら とう の はじ に たち 、
Koware mono no Shoujo hafuratsukinagara Tou no Haji ni Tachi 、
夢見るように空へと語りかける……。
ゆめみ るように そら へと かたり かける ……。
Yumemi ruyouni Sora heto Katari kakeru ……。
大好きな兄に向けて。素敵な仲間との出会いを。
だいすき な あに に むけ て 。 すてき な なかま との であい を 。
Daisuki na Ani ni Muke te 。 Suteki na Nakama tono Deai wo 。
短い時間に深めた友情を。
みじかい じかん に ふかめ た ゆうじょう を 。
Mijikai Jikan ni Fukame ta Yuujou wo 。
それらが全て形のない幻想だったことは、
それらが すべて かたち のない げんそう だったことは 、
soreraga Subete Katachi nonai Gensou dattakotoha 、
受け入れないままに……」
うけいれ ないままに ……」
Ukeire naimamani ……」
深すぎるその絶望を 受胎した少女は
ふかす ぎるその ぜつぼう を じゅたい した しょうじょ は
Fukasu girusono Zetsubou wo Jutai shita Shoujo ha
吹き荒ぶ緋の悪意 全て飲み干した
ふき さぶ ひ の あくい すべて のみほし た
Fuki Sabu Hi no Akui Subete Nomihoshi ta
心の壊れる音 一瞬に散る花
こころ の こわれ る おと いっしゅん に ちる はな
Kokoro no Koware ru Oto Isshun ni Chiru Hana
美しく鮮烈な その最期の残響に
うつくし く せんれつ な その さいご の ざんきょう に
Utsukushi ku Senretsu na sono Saigo no Zankyou ni
詩をのせて 魔女は奏でる
し をのせて まじょ は かなで る
Shi wonosete Majo ha Kanade ru
埋葬された虚飾の光焦がして
まいそう された きょしょく の ひかり こが して
Maisou sareta Kyoshoku no Hikari Koga shite
『夢のような、時でした』
『 ゆめ のような 、 とき でした 』
『 Yume noyouna 、 Toki deshita 』
真実の解放を 流れる星の下でいつか誓い合った夜 明日を信じて
しんじつ の かいほう を ながれ る ほし の した でいつか ちかい あった よる あした を しんじ て
Shinjitsu no Kaihou wo Nagare ru Hoshi no Shita deitsuka Chikai Atta Yoru Ashita wo Shinji te
死によって下された 白い解放はその夢が
しに よって くださ れた しろい かいほう はその ゆめ が
Shini yotte Kudasa reta Shiroi Kaihou hasono Yume ga
悪夢の中にあることを告げて――――
あくむ の なかに あることを つげ て ――――
Akumu no Nakani arukotowo Tsuge te ――――
『――――いつか笑って、会えるかな?』
『―――― いつか わらって 、 あえ るかな ? 』
『―――― itsuka Waratte 、 Ae rukana ? 』
不安を小さな文字で描いた
ふあん を ちいさ な もじ で えがい た
Fuan wo Chiisa na Moji de Egai ta
健気にah...兄想い
けなげ に ah... あに おもい
Kenage ni ah... Ani Omoi
問いかけるフランチェスカに 仲間は無言で頷き微笑んだ
とい かける ふらんちぇすか に なかま は むごん で がん き ほほえん だ
Toi kakeru furanchesuka ni Nakama ha Mugon de Gan ki Hohoen da
『きっととても驚くね?私にこんな素敵なお友達ができたよ。
『 きっととても おどろく ね ? わたし にこんな すてき なお ともだち ができたよ 。
『 kittototemo Odoroku ne ? Watashi nikonna Suteki nao Tomodachi gadekitayo 。
短い時間だけれどたくさん話したよ……』
みじかい じかん だけれどたくさん はなし たよ ……』
Mijikai Jikan dakeredotakusan Hanashi tayo ……』
『ねぇ答えて?お願いは最後にはいつだって
『 ねぇ こたえ て ? お ねがい は さいご にはいつだって
『 nee Kotae te ? o Negai ha Saigo nihaitsudatte
聞いてくれていたじゃない。もう我儘言わないから』
きい てくれていたじゃない 。 もう わがまま いわ ないから 』
Kii tekureteitajanai 。 mou Wagamama Iwa naikara 』
音無き言葉は 虚空へと消えてゆく 見えない何かに語るように
おとなし き ことば は きょくう へと きえ てゆく みえ ない なにか に かたる ように
Otonashi ki Kotoba ha Kyokuu heto Kie teyuku Mie nai Nanika ni Kataru youni
壊れきった瞳はもう幻想だけに
こわれ きった ひとみ はもう げんそう だけに
Koware kitta Hitomi hamou Gensou dakeni
焦点を合わせて 虚構へと
しょうてん を あわ せて きょこう へと
Shouten wo Awa sete Kyokou heto
嗚呼戻れないほどに ah...深く深く もう沈みきっていた――――
ああ もどれ ないほどに ah... ふかく ふかく もう しずみ きっていた ――――
Aa Modore naihodoni ah... Fukaku Fukaku mou Shizumi kitteita ――――
「さあ、次はどんな遊びをしましょうか」
「 さあ 、 つぎ はどんな あそび をしましょうか 」
「 saa 、 Tsugi hadonna Asobi woshimashouka 」
「これは、最も残虐だといわれる魔女の物語。
「 これは 、 もっとも ざんぎゃく だといわれる まじょ の ものがたり 。
「 koreha 、 Mottomo Zangyaku datoiwareru Majo no Monogatari 。
ふふっ……おはなしは、おしまい」
ふふっ …… おはなしは 、 おしまい 」
fufutsu …… ohanashiha 、 oshimai 」