「どうして選ばれたのか?」
「 どうして えらば れたのか ? 」
「 doushite Eraba retanoka ? 」
そんな問いに意味など ないと識っても
そんな とい に いみ など ないと しき っても
sonna Toi ni Imi nado naito Shiki ttemo
心痛は消えることなく 時計の針は廻る...
しんつう は きえ ることなく とけい の はり は まわる ...
Shintsuu ha Kie rukotonaku Tokei no Hari ha Mawaru ...
「この世界には、不死なる5人の魔女がいる。
「 この せかい には 、 ふし なる 5 にん の まじょ がいる 。
「 kono Sekai niha 、 Fushi naru 5 Nin no Majo gairu 。
それぞれが異なる神に見出され、人から成りし存在。
それぞれが ことなる かみ に みださ れ 、 にん から なり し そんざい 。
sorezorega Kotonaru Kami ni Midasa re 、 Nin kara Nari shi Sonzai 。
神を信仰する人々はその力に畏怖し、崇めた」
かみ を しんこう する ひとびと はその ちから に いふ し 、 あがめ た 」
Kami wo Shinkou suru Hitobito hasono Chikara ni Ifu shi 、 Agame ta 」
「蒼白の果てで紡がれる、心優しい少年と一人の魔女の物語」
「 そうはく の はて で つむが れる 、 こころやさし い しょうねん と ひとり の まじょ の ものがたり 」
「 Souhaku no Hate de Tsumuga reru 、 Kokoroyasashi i Shounen to Hitori no Majo no Monogatari 」
褪せた日々は淀み 怠惰に溺れる
あせ た ひび は よどみ たいだ に おぼれ る
Ase ta Hibi ha Yodomi Taida ni Obore ru
血塗られた月夜は穢れ 無垢な衝動、翳して
ち ぬら れた つきよ は けがれ むく な しょうどう 、 えい して
Chi Nura reta Tsukiyo ha Kegare Muku na Shoudou 、 Ei shite
変わらぬ忠誠 誓いし下僕たる少女(Servant) シルエラ
かわ らぬ ちゅうせい ちかい し げぼく たる しょうじょ (Servant) しるえら
Kawa ranu Chuusei Chikai shi Geboku taru Shoujo (Servant) shiruera
すべてを委ねた偏愛は永遠に 虚構を壊す
すべてを ゆだね た へん あい は えいえん に きょこう を こわす
subetewo Yudane ta Hen Ai ha Eien ni Kyokou wo Kowasu
「どうして選ばれたのか?」
「 どうして えらば れたのか ? 」
「 doushite Eraba retanoka ? 」
そんな問いに意味など ないと識っても
そんな とい に いみ など ないと しき っても
sonna Toi ni Imi nado naito Shiki ttemo
心痛は消えることなく 残されたのはただ魔力だけ
しんつう は きえ ることなく のこさ れたのはただ まりょく だけ
Shintsuu ha Kie rukotonaku Nokosa retanohatada Maryoku dake
遠い過去の約束 まだ人間だったあの日
とおい かこ の やくそく まだ にんげん だったあの にち
Tooi Kako no Yakusoku mada Ningen dattaano Nichi
未来を誓った 夕暮れ(Abend)
みらい を ちかった ゆうぐれ (Abend)
Mirai wo Chikatta Yuugure (Abend)
ah...幼い恋 叶うことなくて――――
ah... おさない こい かなう ことなくて ――――
ah... Osanai Koi Kanau kotonakute ――――
「あたしがまだ人だった頃、小さな恋をしていた。
「 あたしがまだ にん だった ごろ 、 ちいさ な こい をしていた 。
「 atashigamada Nin datta Goro 、 Chiisa na Koi woshiteita 。
でも、あたしはもう――――!
でも 、 あたしはもう ―――― !
demo 、 atashihamou ―――― !
手荒になってもいい。あいつをここから遠ざけて」
てあら になってもいい 。 あいつをここから とおざ けて 」
Teara ninattemoii 。 aitsuwokokokara Tooza kete 」
「お望みのままに」
「 お のぞみ のままに 」
「 o Nozomi nomamani 」
昏い悦楽にも 精神を傾け
くらい えつらく にも せいしん を かたむけ
Kurai Etsuraku nimo Seishin wo Katamuke
狂おしいほど愚かで 無慈悲な魔女、演じた
くるお しいほど おろか で むじひ な まじょ 、 えんじ た
Kuruo shiihodo Oroka de Mujihi na Majo 、 Enji ta
不老に近い 存在を(Sein) 愛し焦がれた シルエラ
ふろう に ちかい そんざい を (Sein) いとし こが れた しるえら
Furou ni Chikai Sonzai wo (Sein) Itoshi Koga reta shiruera
近づく信奉者すべてを排し 独占し続ける
ちかづ く しんぽうしゃ すべてを はいし どくせん し つづけ る
Chikazu ku Shinpousha subetewo Haishi Dokusen shi Tsuzuke ru
いつか選ばれたのが
いつか えらば れたのが
itsuka Eraba retanoga
必然であるような 錯角に酔う
ひつぜん であるような さく かく に よう
Hitsuzen dearuyouna Saku Kaku ni You
消えゆく感情 確かに
きえ ゆく かんじょう たしかに
Kie yuku Kanjou Tashikani
あんなに傍にあったはずなのに......
あんなに ぼう にあったはずなのに ......
annani Bou niattahazunanoni ......
姿だけは変わらずとも 変わり果て血に濡れた
すがた だけは かわ らずとも かわり はて ち に ぬれ た
Sugata dakeha Kawa razutomo Kawari Hate Chi ni Nure ta
「もう、あの頃のあたしなんかじゃない......!」
「 もう 、 あの ごろの あたしなんかじゃない ......! 」
「 mou 、 ano Gorono atashinankajanai ......! 」
「お前が主を惑わせる。消えてなくなれ!」
「 お まえ が しゅ を まどわ せる 。 きえ てなくなれ ! 」
「 o Mae ga Shu wo Madowa seru 。 Kie tenakunare ! 」
「どうしてここまで来たの......?」
「 どうしてここまで きた の ......? 」
「 doushitekokomade Kita no ......? 」
変わらぬその瞳が ただ眩しくて
かわ らぬその ひとみ が ただ まぶし くて
Kawa ranusono Hitomi ga tada Mabushi kute
哀れな自らを晒すのは 決して赦されない
あわれ な みずから を さらす のは けっして ゆるさ れない
Aware na Mizukara wo Sarasu noha Kesshite Yurusa renai
ここにいるのは“魔女”だけだから
ここにいるのは “ まじょ ” だけだから
kokoniirunoha “ Majo ” dakedakara
「魔女に偏愛を抱く少女は命令を自らに都合よく捻じ曲げ、
「 まじょ に へん あい を だく しょうじょ は めいれい を みずから に つごう よく ねじ まげ 、
「 Majo ni Hen Ai wo Daku Shoujo ha Meirei wo Mizukara ni Tsugou yoku Neji Mage 、
少年の命をも狙う」
しょうねん の いのち をも ねらう 」
Shounen no Inochi womo Nerau 」
「嫉妬... 狂気... 殺意...」
「 しっと ... きょうき ... さつい ... 」
「 Shitto ... Kyouki ... Satsui ... 」
「負の感情の羅列は、死という結果のみを追い求めていた。
「 ふ の かんじょう の られつ は 、 し という けっか のみを おい もとめ ていた 。
「 Fu no Kanjou no Raretsu ha 、 Shi toiu Kekka nomiwo Oi Motome teita 。
声の... 音の... 歌の連なりは、彼らを翻弄するように空へ
こえ の ... おと の ... うた の つらな りは 、 かれら を ほんろう するように そら へ
Koe no ... Oto no ... Uta no Tsurana riha 、 Karera wo Honrou suruyouni Sora he
と溶けて......」
と とけ て ...... 」
to Toke te ...... 」
「音が聞こえる。 これは、世界が軋む音――――」
「 おと が きこ える 。 これは 、 せかい が きしむ おと ――――」
「 Oto ga Kiko eru 。 koreha 、 Sekai ga Kishimu Oto ――――」