「待ち望んでいた解放の時。
「 まち のぞん でいた かいほう の とき 。
「 Machi Nozon deita Kaihou no Toki 。
久々にみる仲間達の顔は、少しやつれているようで。
ひさびさ にみる なかまたち の かお は 、 すこし やつれているようで 。
Hisabisa nimiru Nakamatachi no Kao ha 、 Sukoshi yatsureteiruyoude 。
けれど、変わらずそこにあった――――今も」
けれど 、 かわ らずそこにあった ―――― いま も 」
keredo 、 Kawa razusokoniatta ―――― Ima mo 」
「ねぇ、嬉しいのに不自然にしか笑顔を作れないんだ」
「 ねぇ 、 うれし いのに ふしぜん にしか えがお を つくれ ないんだ 」
「 nee 、 Ureshi inoni Fushizen nishika Egao wo Tsukure nainda 」
魔女に矯正された 紛いモノの表情
まじょ に きょうせい された まがい もの の ひょうじょう
Majo ni Kyousei sareta Magai mono no Hyoujou
ah...魔女の毒は 歓喜の波も抑制するほど深く
ah... まじょ の どく は かんき の なみ も よくせい するほど ふかく
ah... Majo no Doku ha Kanki no Nami mo Yokusei suruhodo Fukaku
痛ましい爪痕は消えないかもしれないけど
いたま しい つめ あと は きえ ないかもしれないけど
Itama shii Tsume Ato ha Kie naikamoshirenaikedo
恐る恐る控えめながら 喜びを分かち合う子供達は
おそる おそる ひかえ めながら よろこび を わか ち あう こどもたち は
Osoru Osoru Hikae menagara Yorokobi wo Waka chi Au Kodomotachi ha
鎖を外し 手を取り合い生を確かめるように
くさり を はずし て を とり あい なま を たしか めるように
Kusari wo Hazushi Te wo Tori Ai Nama wo Tashika meruyouni
碧に染まるセカイで 産声をあげるは
へき に そま る せかい で うぶごえ をあげるは
Heki ni Soma ru sekai de Ubugoe woageruha
狩り尽くされて失くしていた新たなる絆
かり つくさ れて なく していた あらた なる きずな
Kari Tsukusa rete Naku shiteita Arata naru Kizuna
血よりも色濃い絆が いつか生まれていた
ち よりも しょくのう い きずな が いつか うまれ ていた
Chi yorimo Shokunou i Kizuna ga itsuka Umare teita
強く結ばれた仲間 これからを紡ぐ幻想――――
つよく むすば れた なかま これからを つむぐ げんそう ――――
Tsuyoku Musuba reta Nakama korekarawo Tsumugu Gensou ――――
「羨ましいな、彼らが……」
「 うらやま しいな 、 かれら が ……」
「 Urayama shiina 、 Karera ga ……」
「ルクセインは、自分の役目は終わったとばかりにその場を離れ、
「 るくせいん は 、 じぶん の やくめ は おわ ったとばかりにその ば を はなれ 、
「 rukusein ha 、 Jibun no Yakume ha Owa ttatobakarinisono Ba wo Hanare 、
繋がれている黒狼達を解き放った。
つなが れている くろ おおかみ たち を とき ほうっった 。
Tsunaga reteiru Kuro Ookami Tachi wo Toki Houtsutta 。
そしてそのまま一言の別れさえ告げずに、単身で古城を後にする。
そしてそのまま ひとこと の わかれ さえ つげ ずに 、 たんしん で こじょう を のちに する 。
soshitesonomama Hitokoto no Wakare sae Tsuge zuni 、 Tanshin de Kojou wo Nochini suru 。
白夜の果てへの旅。大切な首飾りを強く握りなおして……」
びゃくや の はて への たび 。 たいせつ な くびかざり を つよく にぎり なおして ……」
Byakuya no Hate heno Tabi 。 Taisetsu na Kubikazari wo Tsuyoku Nigiri naoshite ……」
「ねぇ、二人だけで逃げ出したのに僕らを責めはしないの?」
「 ねぇ 、 ふたり だけで にげだし たのに ぼくら を せめ はしないの ? 」
「 nee 、 Futari dakede Nigedashi tanoni Bokura wo Seme hashinaino ? 」
徴かな後ろ暗さ その想いを吐露した
ちょう かな うしろ くらさ その おもい を とろ した
Chou kana Ushiro Kurasa sono Omoi wo Toro shita
「ルーク、例えキミがそのままどこか遠くへ逃げたとしても
「 るーく 、 たとえ きみ がそのままどこか とおく へ にげ たとしても
「 ru^ku 、 Tatoe kimi gasonomamadokoka Tooku he Nige tatoshitemo
多分誰一人としてその行為を咎めやしない」
たぶん だれひとり としてその こうい を とがめ やしない 」
Tabun Darehitori toshitesono Koui wo Togame yashinai 」
「そうさ。ここで辛苦共にした家族みたいなものだ。
「 そうさ 。 ここで しんく ともに した かぞく みたいなものだ 。
「 sousa 。 kokode Shinku Tomoni shita Kazoku mitainamonoda 。
だから今は自由より、また生きて逢えたことがただ嬉しいんだ」
だから いま は じゆう より 、 また いき て あえ たことがただ うれし いんだ 」
dakara Ima ha Jiyuu yori 、 mata Iki te Ae takotogatada Ureshi inda 」
ah...残響瞬く 夜が明けようと今
ah... ざんきょう またたく よる が あけ ようと いま
ah... Zankyou Matataku Yoru ga Ake youto Ima
白霧はただ霧散した 遠鐘鳴り響いて
しろ きり はただ きり さん した えん かね なり ひびい て
Shiro Kiri hatada Kiri San shita En Kane Nari Hibii te
空ろな光は彼等を 導くようにただ
そら ろな ひかり は かれら を みちびく ようにただ
Sora rona Hikari ha Karera wo Michibiku younitada
碧に染まったセカイを 凛と照らし始めていた
へき に そま った せかい を りん と てら し はじめ ていた
Heki ni Soma tta sekai wo Rin to Tera shi Hajime teita
「喜びに抱き合う仲間達。
「 よろこび に だき あう なかまたち 。
「 Yorokobi ni Daki Au Nakamatachi 。
けれど、彼らの表情が次第に心配げに曇っていって……」
けれど 、 かれら の ひょうじょう が しだい に しんぱい げに くもって いって ……」
keredo 、 Karera no Hyoujou ga Shidai ni Shinpai geni Kumotte itte ……」
「ルークと私の顔色が悪い?ううん、きっと疲れてるだけ」
「 るーく と わたし の かおいろ が わるい ? ううん 、 きっと つかれ てるだけ 」
「 ru^ku to Watashi no Kaoiro ga Warui ? uun 、 kitto Tsukare terudake 」
「体が冷たいって?そんなことはない……よな?」
「 からだ が つめた いって ? そんなことはない …… よな ? 」
「 Karada ga Tsumeta itte ? sonnakotohanai …… yona ? 」
「……ッ!」
「…… っ ! 」
「…… tsu ! 」
「面白い見世物だったわ」
「 おもしろい みせもの だったわ 」
「 Omoshiroi Misemono dattawa 」
囁いたのは、確かに死に絶えていた暴虐の魔女――――
しょう いたのは 、 たしかに しに たえ ていた ぼうぎゃく の まじょ ――――
Shou itanoha 、 Tashikani Shini Tae teita Bougyaku no Majo ――――
「悠然と立つ魔女によって語られる真実。
「 ゆうぜん と たつ まじょ によって かたら れる しんじつ 。
「 Yuuzen to Tatsu Majo niyotte Katara reru Shinjitsu 。
ルークとミリアは、遊戯に耐えきれずに
るーく と みりあ は 、 ゆうぎ に たえ きれずに
ru^ku to miria ha 、 Yuugi ni Tae kirezuni
とっくの昔に命を落としている存在であるということ」
とっくの むかし に いのち を おと している そんざい であるということ 」
tokkuno Mukashi ni Inochi wo Oto shiteiru Sonzai dearutoiukoto 」
「私の力で動いているだけ。
「 わたし の ちから で うごい ているだけ 。
「 Watashi no Chikara de Ugoi teirudake 。
イレモノが綺麗だったから再利用してみたの」
いれもの が きれい だったから さいりよう してみたの 」
iremono ga Kirei dattakara Sairiyou shitemitano 」
「そんな……」
「 そんな ……」
「 sonna ……」
「いや……いやっ……いやぁぁぁぁぁぁっ!」
「 いや …… いやっ …… いやぁぁぁぁぁぁっ ! 」
「 iya …… iyatsu …… iyaaaaaaatsu ! 」
死の残響 魂なき亡霊のような
しの ざんきょう たましい なき ぼうれい のような
Shino Zankyou Tamashii naki Bourei noyouna
ルークとミリアは仲間とフランチェスカヘと向け
るーく と みりあ は なかま と ふらんちぇすかへ と むけ
ru^ku to miria ha Nakama to furanchesukahe to Muke
救いを請うような視線を刹那残して ah...
すくい を こう ような しせん を せつな のこし て ah...
Sukui wo Kou youna Shisen wo Setsuna Nokoshi te ah...
それがあるべき姿であったかのように その動きを止めた
それがあるべき すがた であったかのように その うごき を とめ た
soregaarubeki Sugata deattakanoyouni sono Ugoki wo Tome ta
もう二度とは動かぬ二人の残骸 ah...
もう にど とは うごか ぬ ふたり の ざんがい ah...
mou Nido toha Ugoka nu Futari no Zangai ah...
どんなに強く揺すれど 瞳に光は戻らない
どんなに つよく ゆす れど ひとみ に ひかり は もどら ない
donnani Tsuyoku Yusu redo Hitomi ni Hikari ha Modora nai
"愉悦"を"歓喜"を隠さず 深紅の魔女は哂う
" ゆえつ " を " かんき " を かくさ ず しんく の まじょ は しん う
" Yuetsu " wo " Kanki " wo Kakusa zu Shinku no Majo ha Shin u
夜を抜けることのない 哀れなるそのレギオンを――――
よる を ぬけ ることのない あわれ なるその れぎおん を ――――
Yoru wo Nuke rukotononai Aware narusono region wo ――――
「可愛いお人形さん。ぜーんぶ思い通りに動いてくれちゃって。
「 かわいい お にんぎょう さん 。 ぜーんぶ おもい とおり に うごい てくれちゃって 。
「 Kawaii o Ningyou san 。 zenbu Omoi Toori ni Ugoi tekurechatte 。
城から逃げ出させたのも、いずれは取り残されたお友達を助けに
しろ から にげださ せたのも 、 いずれは とりのこさ れたお ともだち を たすけ に
Shiro kara Nigedasa setanomo 、 izureha Torinokosa retao Tomodachi wo Tasuke ni
戻るようにと思考を巡らせたのも、みーんな私の掌の上。
もどる ようにと しこう を めぐら せたのも 、 みーんな わたし の てのひら の うえ 。
Modoru younito Shikou wo Megura setanomo 、 minna Watashi no Tenohira no Ue 。
思っていた以上に楽しめたわ」
おもって いた いじょう に たのし めたわ 」
Omotte ita Ijou ni Tanoshi metawa 」
「それは、少年達の絶望する表情を見たいがための新しい遊戯。
「 それは 、 しょうねんたち の ぜつぼう する ひょうじょう を みた いがための あたらし い ゆうぎ 。
「 soreha 、 Shounentachi no Zetsubou suru Hyoujou wo Mita igatameno Atarashi i Yuugi 。
ルークとミリアは、まるで電源が切れてしまったかのように動きを止め、
るーく と みりあ は 、 まるで でんげん が きれ てしまったかのように うごき を とめ 、
ru^ku to miria ha 、 marude Dengen ga Kire teshimattakanoyouni Ugoki wo Tome 、
もう二度と動くことはなかった……」
もう にど と うごく ことはなかった ……」
mou Nido to Ugoku kotohanakatta ……」
「残された少年達はこれ以上ないであろう絶望に突き落とされる。
「 のこさ れた しょうねんたち はこれ いじょう ないであろう ぜつぼう に つき おと される 。
「 Nokosa reta Shounentachi hakore Ijou naidearou Zetsubou ni Tsuki Oto sareru 。
そんな中で、フランチェスカは狂ったように兄の姿を探し続けていて……。
そんな なか で 、 ふらんちぇすか は くるった ように あに の すがた を さがし つづけ ていて ……。
sonna Naka de 、 furanchesuka ha Kurutta youni Ani no Sugata wo Sagashi Tsuzuke teite ……。
魔女はそれに気づき、何気ない風に告げる」
まじょ はそれに きづ き 、 なにげな い かぜ に つげ る 」
Majo hasoreni Kizu ki 、 Nanigena i Kaze ni Tsuge ru 」
「あんたの探してる大好きなお兄ちゃんも、
「 あんたの さがし てる だいすき なお にいちゃん も 、
「 antano Sagashi teru Daisuki nao Niichan mo 、
もうとっくに死んでここにはいないよ――――」
もうとっくに しん でここにはいないよ ――――」
moutokkuni Shin dekokonihainaiyo ――――」