「正直、驚いた。
「 しょうじき 、 おどろい た 。
「 Shoujiki 、 Odoroi ta 。
魔女の僕、メイメイに手を引かれ、深く暗い森を歩き続けた。
まじょ の ぼく 、 めいめい に て を ひか れ 、 ふかく くらい もり を あるき つづけ た 。
Majo no Boku 、 meimei ni Te wo Hika re 、 Fukaku Kurai Mori wo Aruki Tsuzuke ta 。
一歩進む度に現実から離れていくような錯覚に襲われて、
いっぽ すすむ ど に げんじつ から はなれ ていくような さっかく に おそわ れて 、
Ippo Susumu Do ni Genjitsu kara Hanare teikuyouna Sakkaku ni Osowa rete 、
現実と幻想の境界がわからなくなってきた頃、突然に視界が開けた。
げんじつ と げんそう の きょうかい がわからなくなってきた ごろ 、 とつぜん に しかい が ひらけ た 。
Genjitsu to Gensou no Kyoukai gawakaranakunattekita Goro 、 Totsuzen ni Shikai ga Hirake ta 。
そこに隠されるように広がっていたのは、陰鬱な光景ではなく、
そこに かくさ れるように ひろが っていたのは 、 いんうつ な こうけい ではなく 、
sokoni Kakusa reruyouni Hiroga tteitanoha 、 In\'utsu na Koukei dehanaku 、
思いもよらないほどに美しい景色で……」
おもい もよらないほどに うつくし い けしき で ……」
Omoi moyoranaihodoni Utsukushi i Keshiki de ……」
花々(はな)は色付き舞い踊って
はな ( はな ) は いろづけ き まい おどって
Hana ( hana ) ha Irozuke ki Mai Odotte
鳥達(とり)は祝福を謳って
とりたち ( とり ) は しゅくふく を うたって
Toritachi ( tori ) ha Shukufuku wo Utatte
まるで、地上の楽園であるかのよう
まるで 、 ちじょう の らくえん であるかのよう
marude 、 Chijou no Rakuen dearukanoyou
わたしを迎えて微笑む(わらう)乙女達は皆
わたしを むかえ て ほほえむ ( わらう ) おとめ たち は みな
watashiwo Mukae te Hohoemu ( warau ) Otome Tachi ha Mina
何の毒も感じない
なんの どく も かんじ ない
Nanno Doku mo Kanji nai
暗い森の奥見えたものは……絶望じゃなくて。
くらい もり の おく みえ たものは …… ぜつぼう じゃなくて 。
Kurai Mori no Oku Mie tamonoha …… Zetsubou janakute 。
『ようこそ、新入りさん。あなたの名前は?
『 ようこそ 、 しんいり さん 。 あなたの なまえ は ?
『 youkoso 、 Shin\'iri san 。 anatano Namae ha ?
いいえ、やっぱり言わないで。
いいえ 、 やっぱり いわ ないで 。
iie 、 yappari Iwa naide 。
だって此処は、誰もが幸せになれるところ。
だって ここ は 、 だれも が しあわせ になれるところ 。
datte Koko ha 、 Daremo ga Shiawase ninarerutokoro 。
あなたを蝕んだ不幸は忘れて。
あなたを しょく んだ ふこう は わすれ て 。
anatawo Shoku nda Fukou ha Wasure te 。
いいえ、思い出さなくていい。
いいえ 、 おもいださ なくていい 。
iie 、 Omoidasa nakuteii 。
もう誰もあなたを傷つけない。そして、幸せになるのよ。』
もう だれも あなたを きずつ けない 。 そして 、 しあわせ になるのよ 。』
mou Daremo anatawo Kizutsu kenai 。 soshite 、 Shiawase ninarunoyo 。』
「此処には、美しい五人の乙女達が住んでいる。
「 ここ には 、 うつくし い ごにん の おとめ たち が すん でいる 。
「 Koko niha 、 Utsukushi i Gonin no Otome Tachi ga Sun deiru 。
けれど不思議なことに誰も、
けれど ふしぎ なことに だれも 、
keredo Fushigi nakotoni Daremo 、
メリクルベルに負の感情を向けてはいなかった」
めりくるべる に ふ の かんじょう を むけ てはいなかった 」
merikuruberu ni Fu no Kanjou wo Muke tehainakatta 」
花々(はな)も恥らう乙女達に
はな ( はな ) も はじ らう おとめ たち に
Hana ( hana ) mo Haji rau Otome Tachi ni
鳥達(とり)も歌を忘れるほど
とりたち ( とり ) も うたを わすれ るほど
Toritachi ( tori ) mo Utawo Wasure ruhodo
此処はほんとに、魔女のセカイなのかしら?
ここ はほんとに 、 まじょ の せかい なのかしら ?
Koko hahontoni 、 Majo no sekai nanokashira ?
わたしを迎えた魔女はたおやかに笑んだ
わたしを むかえ た まじょ はたおやかに わらい んだ
watashiwo Mukae ta Majo hataoyakani Warai nda
雪のように白い肌
ゆき のように しろい はだ
Yuki noyouni Shiroi Hada
薔薇のような唇は甘い……毒を忍ばせて。
ばら のような くちびる は あまい …… どく を しのば せて 。
Bara noyouna Kuchibiru ha Amai …… Doku wo Shinoba sete 。
『ようこそ、新入りさん。ずっと待ってたわ。
『 ようこそ 、 しんいり さん 。 ずっと まって たわ 。
『 youkoso 、 Shin\'iri san 。 zutto Matte tawa 。
そうよ、七番目の乙女。
そうよ 、 しち ばんめ の おとめ 。
souyo 、 Shichi Banme no Otome 。
恐れないで、不幸せは捨ててしまいなさい。
おそれ ないで 、 ふしあわせ は すて てしまいなさい 。
Osore naide 、 Fushiawase ha Sute teshimainasai 。
美しさは決して穢してはならない。
うつくし さは けっして けがし てはならない 。
Utsukushi saha Kesshite Kegashi tehanaranai 。
永久に穢させはしないわ。
えいきゅう に けがさ せはしないわ 。
Eikyuu ni Kegasa sehashinaiwa 。
いつまでもいつまでも、私と共にいよう。』
いつまでもいつまでも 、 わたし と ともに いよう 。』
itsumademoitsumademo 、 Watashi to Tomoni iyou 。』
―――ダメだ、声を聴いたら囚われる
――― だめ だ 、 こえ を きい たら とらわ れる
――― dame da 、 Koe wo Kii tara Torawa reru
―――やめて、中へ入ってこないでよ
――― やめて 、 なか へ いっって こないでよ
――― yamete 、 Naka he Itsutte konaideyo
―――ダメだ、深く身体を蔦が這うように
――― だめ だ 、 ふかく しんたい を つた が はう ように
――― dame da 、 Fukaku Shintai wo Tsuta ga Hau youni
―――絡めとられてしまう……
――― からめ とられてしまう ……
――― Karame torareteshimau ……
此処は真白国(ましろのくに) 幸せが包む
ここ は まっしろ くに ( ましろのくに ) しあわせ が つつむ
Koko ha Masshiro Kuni ( mashironokuni ) Shiawase ga Tsutsumu
薔薇の香りは芳しく
ばら の かおり は かんばし く
Bara no Kaori ha Kanbashi ku
何もかもを幸せで塗り替え、忘れていく
なにも かもを しあわせ で ぬり かえ 、 わすれ ていく
Nanimo kamowo Shiawase de Nuri Kae 、 Wasure teiku
『さあ、怖がらないで。この手をとりなさい。
『 さあ 、 こわが らないで 。 この て をとりなさい 。
『 saa 、 Kowaga ranaide 。 kono Te wotorinasai 。
甘いお菓子を食べましょう。
あまい お かし を たべ ましょう 。
Amai o Kashi wo Tabe mashou 。
真白の姿、美しいまま此処で……死んでいきましょうね。』
まっしろ の すがた 、 うつくし いまま ここ で …… しん でいきましょうね 。』
Masshiro no Sugata 、 Utsukushi imama Koko de …… Shin deikimashoune 。』
「フィーナ、いらっしゃい。ふふっ、いいコね」
「 ふぃーな 、 いらっしゃい 。 ふふっ 、 いい こ ね 」
「 fi^na 、 irasshai 。 fufutsu 、 ii ko ne 」
「フィーナは迷うことなく魔女の手をとり、
「 ふぃーな は まよう ことなく まじょ の て をとり 、
「 fi^na ha Mayou kotonaku Majo no Te wotori 、
その手に誓いの口づけをした。
その てに ちかい の くちづけ をした 。
sono Teni Chikai no Kuchizuke woshita 。
私は抵抗して後ずさったけれどその瞬間、
わたし は ていこう して のち ずさったけれどその しゅんかん 、
Watashi ha Teikou shite Nochi zusattakeredosono Shunkan 、
頭に鈍い痛みが走った。メイメイは諭すように言う」
あたま に にぶい いたみ が はしった 。 めいめい は さとす ように いう 」
Atama ni Nibui Itami ga Hashitta 。 meimei ha Satosu youni Iu 」
「あなたもすぐに、同じようになれるから……ね」
「 あなたもすぐに 、 おなじ ようになれるから …… ね 」
「 anatamosuguni 、 Onaji youninarerukara …… ne 」