「あらかじめ約束されていた最期の夜。
「 あらかじめ やくそく されていた さいご の よる 。
「 arakajime Yakusoku sareteita Saigo no Yoru 。
イレギュラーなき旋律の開演。今宵、盤上の駒は揃った」
いれぎゅらー なき せんりつ の かいえん 。 こよい 、 ばんじょう の こま は そろった 」
iregyura^ naki Senritsu no Kaien 。 Koyoi 、 Banjou no Koma ha Sorotta 」
「――――はじまりのおわり。おわりのはじまり」
「―――― はじまりのおわり 。 おわりのはじまり 」
「―――― hajimarinoowari 。 owarinohajimari 」
「もっと昂らせて……」
「 もっと たかぶら せて ……」
「 motto Takabura sete ……」
風のない真遠の夜に 小さな進軍の灯が無音に輝き
かぜ のない まこと とおの よる に ちいさ な しんぐん の ともしび が むおん に かがやき
Kaze nonai Makoto Toono Yoru ni Chiisa na Shingun no Tomoshibi ga Muon ni Kagayaki
全ての遍く事象に 根源が或るなら壊してみせよう
すべて の あまねく じしょう に こんげん が ある なら こわし てみせよう
Subete no Amaneku Jishou ni Kongen ga Aru nara Kowashi temiseyou
其々の宿願を胸に 小さな行軍の日は訪れる
その の しゅくがん を むね に ちいさ な こうぐん の にち は おとずれ る
Sono no Shukugan wo Mune ni Chiisa na Kougun no Nichi ha Otozure ru
そうは眠ることなきアイリーン
そうは ねむる ことなき あいりーん
souha Nemuru kotonaki airi^n
永い周期を待ち続けた反逆のレギオン
ながい しゅうき を まち つづけ た はんぎゃく の れぎおん
Nagai Shuuki wo Machi Tsuzuke ta Hangyaku no region
無慈悲なリフレイン
むじひ な りふれいん
Mujihi na rifurein
聞こえがいいばかりの言葉じゃ 運命など打破できない
きこ えがいいばかりの ことば じゃ うんめい など だは できない
Kiko egaiibakarino Kotoba ja Unmei nado Daha dekinai
勝ち取るんだ 今この手で――――
かち とる んだ いま この てで ――――
Kachi Toru nda Ima kono Tede ――――
射殺せ ヴェールに逃れた空隙を
しゃさつ せ う゛ぇーる に のがれ た くうげき を
Shasatsu se ve^ru ni Nogare ta Kuugeki wo
滅びの詩は聞こえない 病葉舞う地を疾って
ほろび の し は きこ えない びょう は まう ち を はやって
Horobi no Shi ha Kiko enai Byou Ha Mau Chi wo Hayatte
響け 怜悧な静寂を砕いて
ひびけ れい り な せいじゃく を くだい て
Hibike Rei Ri na Seijaku wo Kudai te
誰一人として欠けることなく夜を抜けよう
だれひとり として かけ ることなく よる を ぬけ よう
Darehitori toshite Kake rukotonaku Yoru wo Nuke you
祈りの羅列は終幕の序曲を、奏でていた――――
いのり の られつ は しゅうまく の じょきょく を 、 かなで ていた ――――
Inori no Raretsu ha Shuumaku no Jokyoku wo 、 Kanade teita ――――
「誰かを救うために、別の誰かの命を奪うことはできない」
「 だれか を すくう ために 、 べつの だれか の いのち を うばう ことはできない 」
「 Dareka wo Sukuu tameni 、 Betsuno Dareka no Inochi wo Ubau kotohadekinai 」
「うん。奪って赦されるのは、アイリーンの命だけ」
「 うん 。 うばって ゆるさ れるのは 、 あいりーん の いのち だけ 」
「 un 。 Ubatte Yurusa rerunoha 、 airi^n no Inochi dake 」
「見張りの兵士も殺さず、武器を奪い無力化して縛りおいておくだけ。
「 みはり の へいし も ころさ ず 、 ぶき を うばい むりょく かし て しばり おいておくだけ 。
「 Mihari no Heishi mo Korosa zu 、 Buki wo Ubai Muryoku Kashi te Shibari oiteokudake 。
塔を駆け上り、どうにか囚われた仲間達の部屋に辿りつくも、
とう を かけ のぼり 、 どうにか とらわ れた なかまたち の へや に たどり つくも 、
Tou wo Kake Nobori 、 dounika Torawa reta Nakamatachi no Heya ni Tadori tsukumo 、
その扉は魔力で固く閉ざされていて……」
その とびら は まりょく で かたく とざ されていて ……」
sono Tobira ha Maryoku de Kataku Toza sareteite ……」
「……っ」
「…… っ 」
「…… tsu 」
「ちっ、そんなに簡単じゃあないな……」
「 ちっ 、 そんなに かんたん じゃあないな ……」
「 chitsu 、 sonnani Kantan jaanaina ……」
囚われの場所 そこに近づく程に
とらわ れの ばしょ そこに ちかづ く ほど に
Torawa reno Basho sokoni Chikazu ku Hodo ni
ルークとミリアに刻まれた刻印は
るーく と みりあ に きざま れた こくいん は
ru^ku to miria ni Kizama reta Kokuin ha
淡い熱を帯びて紅く輝きだした 帰還を歓待するように
あわい ねつ を おび て あかく かがやき だした きかん を かんたい するように
Awai Netsu wo Obi te Akaku Kagayaki dashita Kikan wo Kantai suruyouni
射殺せ ヴェールに逃れた空隙を
しゃさつ せ う゛ぇーる に のがれ た くうげき を
Shasatsu se ve^ru ni Nogare ta Kuugeki wo
滅びの詩は聞こえない 病葉舞う地を疾って
ほろび の し は きこ えない びょう は まう ち を はやって
Horobi no Shi ha Kiko enai Byou Ha Mau Chi wo Hayatte
響け 怜悧な静寂を砕いて
ひびけ れい り な せいじゃく を くだい て
Hibike Rei Ri na Seijaku wo Kudai te
誰一人として欠けることなく夜を抜けよう
だれひとり として かけ ることなく よる を ぬけ よう
Darehitori toshite Kake rukotonaku Yoru wo Nuke you
月夜は悲劇が孵化する残響音 紡いでゆく
つきよ は ひげき が ふか する ざんきょうおん ぼう いでゆく
Tsukiyo ha Higeki ga Fuka suru Zankyouon Bou ideyuku
(嘲笑うように)
( せせらわらう ように )
( Seserawarau youni )
いつしか神格化された幻想も 冒涜して――――
いつしか しんかく かさ れた げんそう も ぼうとく して ――――
itsushika Shinkaku Kasa reta Gensou mo Boutoku shite ――――
「眠っている魔女を殺せば、魔法も解けてこの扉も開くよ。きっと」
「 ねむって いる まじょ を ころせ ば 、 まほう も とけ てこの とびら も ひらく よ 。 きっと 」
「 Nemutte iru Majo wo Korose ba 、 Mahou mo Toke tekono Tobira mo Hiraku yo 。 kitto 」
「ああ。やるしか、ないのか……」
「 ああ 。 やるしか 、 ないのか ……」
「 aa 。 yarushika 、 nainoka ……」
「塔の最上階。冷え切った部屋で椅子に腰掛けたまま眠る暴虐の魔女。
「 とう の さいじょうかい 。 ひえ きった へや で いす に こしかけ たまま ねむる ぼうぎゃく の まじょ 。
「 Tou no Saijoukai 。 Hie Kitta Heya de Isu ni Koshikake tamama Nemuru Bougyaku no Majo 。
湛える余裕はそのままに、寸分も揺らぐことなく……
たたえ る よゆう はそのままに 、 すんぶん も ゆら ぐことなく ……
Tatae ru Yoyuu hasonomamani 、 Sunbun mo Yura gukotonaku ……
「手を汚すのは俺だけでいい。子供は下がってろ」
「 て を よごす のは おれ だけでいい 。 こども は さが ってろ 」
「 Te wo Yogosu noha Ore dakedeii 。 Kodomo ha Saga ttero 」
「ルクセインが押し切る形でその役を背負い、
「 るくせいん が おし きる かたち でその やく を せおい 、
「 rukusein ga Oshi Kiru Katachi desono Yaku wo Seoi 、
暗い部屋で眠る魔女にナイフを突き刺した。
くらい へや で ねむる まじょ に ないふ を つき さし た 。
Kurai Heya de Nemuru Majo ni naifu wo Tsuki Sashi ta 。
声もなく。音もなく。不死なる魔女といえど、
こえ もなく 。 おと もなく 。 ふし なる まじょ といえど 、
Koe monaku 。 Oto monaku 。 Fushi naru Majo toiedo 、
絶命さぜるをえないほどに深く――――」
ぜつめい さぜるをえないほどに ふかく ――――」
Zetsumei sazeruwoenaihodoni Fukaku ――――」