「美しい双子の少女、ディーとウィー。
「 うつくし い ふたご の しょうじょ 、 でぃー と うぃー 。
「 Utsukushi i Futago no Shoujo 、 di^ to ui^ 。
優しい父と母、四人での幸せな生活。
やさしい ちち と はは 、 よにん での しあわせ な せいかつ 。
Yasashii Chichi to Haha 、 Yonin deno Shiawase na Seikatsu 。
何不自由なく暮らしていた双子は、
なに ふじゆう なく くらし ていた ふたご は 、
Nani Fujiyuu naku Kurashi teita Futago ha 、
幸せな日常に忍び寄る影に……気付くこともなく」
しあわせ な にちじょう に しのび よる かげ に …… きづく こともなく 」
Shiawase na Nichijou ni Shinobi Yoru Kage ni …… Kizuku kotomonaku 」
「不穏な種は静かに芽吹き、
「 ふおん な たね は しずか に め ふき 、
「 Fuon na Tane ha Shizuka ni Me Fuki 、
いつしか取り返しのつかない悪夢と化して。
いつしか とりかえし のつかない あくむ と かし て 。
itsushika Torikaeshi notsukanai Akumu to Kashi te 。
嵩んだ借金の果ての一家離散。双子は離れ離れに……
かさ んだ しゃっきん の はて の いっかりさん 。 ふたご は はなれ はなれ に ……
Kasa nda Shakkin no Hate no Ikkarisan 。 Futago ha Hanare Hanare ni ……
別々の家へと引き取られていった」
べつべつ の いえ へと ひきとら れていった 」
Betsubetsu no Ie heto Hikitora reteitta 」
何を違えたのか その問いに解はなくて
なにを ちがえ たのか その とい に かい はなくて
Naniwo Chigae tanoka sono Toi ni Kai hanakute
今はただ、冷たさに耐えるだけ
いま はただ 、 つめた さに たえ るだけ
Ima hatada 、 Tsumeta sani Tae rudake
『聖華(はな)の双子だね』と云われては微笑みあう
『 ひじり はな ( はな ) の ふたご だね 』 と いわ れては ほほえみ あう
『 Hijiri Hana ( hana ) no Futago dane 』 to Iwa reteha Hohoemi au
幸せな時間(とき)はもう過去の中
しあわせ な じかん ( とき ) はもう かこ の なか
Shiawase na Jikan ( toki ) hamou Kako no Naka
帰る家もなく 食べるものもなく
かえる いえ もなく たべ るものもなく
Kaeru Ie monaku Tabe rumonomonaku
やがて離れ離れになった
やがて はなれ はなれ になった
yagate Hanare Hanare ninatta
『いつか、我が家(うち)に帰ろう
『 いつか 、 わがや ( うち ) に かえろ う
『 itsuka 、 Wagaya ( uchi ) ni Kaero u
三年先の聖夜(きょう)に必ず迎えにくるからね』と
さんねん さきの せいや ( きょう ) に かならず むかえ にくるからね 』 と
Sannen Sakino Seiya ( kyou ) ni Kanarazu Mukae nikurukarane 』 to
父と母が残したのは 離別(さいご)の口づけ(キス)だけ
ちち と はは が のこした のは りべつ ( さいご ) の くちづけ ( きす ) だけ
Chichi to Haha ga Nokoshita noha Ribetsu ( saigo ) no Kuchizuke ( kisu ) dake
「それぞれに引き取られた新しい家で、
「 それぞれに ひきとら れた あたらし い いえ で 、
「 sorezoreni Hikitora reta Atarashi i Ie de 、
安寧を得ることは叶わなかった。
あんねい を える ことは かなわ なかった 。
Annei wo Eru kotoha Kanawa nakatta 。
ウィーは義理の姉達から陰湿な虐めを受け、
うぃー は ぎり の あね たち から いんしつ な ぎゃく めを うけ 、
ui^ ha Giri no Ane Tachi kara Inshitsu na Gyaku mewo Uke 、
ディーは過酷な労働を強いられて」
でぃー は かこく な ろうどう を しいら れて 」
di^ ha Kakoku na Roudou wo Shiira rete 」
何も望むものはないほどに恵まれてた
なにも のぞむ ものはないほどに めぐま れてた
Nanimo Nozomu monohanaihodoni Meguma reteta
水仕事で擦り切れた手を見て
みず しごと で すり きれ た て を みて
Mizu Shigoto de Suri Kire ta Te wo Mite
其れは奇跡の上 成り立っていたと知った
その れは きせき の うえ なりたって いたと しった
Sono reha Kiseki no Ue Naritatte itato Shitta
幸せな日常(とき)はいつ変わったの?
しあわせ な にちじょう ( とき ) はいつ かわ ったの ?
Shiawase na Nichijou ( toki ) haitsu Kawa ttano ?
父は酒に酔い 母は泣いていた
ちち は さけ に よい はは は ない ていた
Chichi ha Sake ni Yoi Haha ha Nai teita
いつの間にかそうなっていた
いつの まに かそうなっていた
itsuno Mani kasounatteita
『いつかまた逢おうね』と
『 いつかまた あお うね 』 と
『 itsukamata Ao une 』 to
三年先に希望(のぞみ)託した
さんねん さきに きぼう ( のぞみ ) たくし た
Sannen Sakini Kibou ( nozomi ) Takushi ta
『どんな顔で会おうか』
『 どんな かお で あお うか 』
『 donna Kao de Ao uka 』
鏡の前 痩せた頬で笑顔をつくった
かがみ の まえ やせ た ほお で えがお をつくった
Kagami no Mae Yase ta Hoo de Egao wotsukutta
「そして、三年の月日が経ち、約束の日が訪れる。
「 そして 、 さんねん の がっぴ が へち 、 やくそく の にち が おとずれ る 。
「 soshite 、 Sannen no Gappi ga Hechi 、 Yakusoku no Nichi ga Otozure ru 。
両親が迎えに来てくれることを、
りょうしん が むかえ に きて くれることを 、
Ryoushin ga Mukae ni Kite kurerukotowo 、
そして片割れに会えることを信じ、
そして かたわれ に あえ ることを しんじ 、
soshite Kataware ni Ae rukotowo Shinji 、
遠く離れた地で苦しい日々を生き抜いてきた」
とおく はなれ た ち で くるし い ひび を いき ぬい てきた 」
Tooku Hanare ta Chi de Kurushi i Hibi wo Iki Nui tekita 」
「粉雪の降る聖夜。ディーとウィーは、
「 こなゆき の ふる せいや 。 でぃー と うぃー は 、
「 Konayuki no Furu Seiya 。 di^ to ui^ ha 、
それぞれの家で逸(はや)る気持ちをおさえきれずにいた」
それぞれの いえ で いつ ( はや ) る きもち をおさえきれずにいた 」
sorezoreno Ie de Itsu ( haya ) ru Kimochi woosaekirezuniita 」
「「これでやっと、本当の家に帰れるんだ……!」」
「「 これでやっと 、 ほんとう の いえ に かえれ るんだ ……!」」
「「 koredeyatto 、 Hontou no Ie ni Kaere runda ……!」」
やっと【逢える】 約束の【焦がれてた】
やっと 【 あえ る 】 やくそく の 【 こが れてた 】
yatto 【 Ae ru 】 Yakusoku no 【 Koga reteta 】
聖夜(ひ)がやってきたよ【遠い】 迎えにくる父を【母の影を】
せいや ( ひ ) がやってきたよ 【 とおい 】 むかえ にくる ちち を 【 はは の かげ を 】
Seiya ( hi ) gayattekitayo 【 Tooi 】 Mukae nikuru Chichi wo 【 Haha no Kage wo 】
待ち続けた...
まち つづけ た ...
Machi Tsuzuke ta ...
白雪(ゆき)が世界を染めて
しらゆき ( ゆき ) が せかい を そめ て
Shirayuki ( yuki ) ga Sekai wo Some te
心も白く凍らせていく
こころ も しろく こおら せていく
Kokoro mo Shiroku Koora seteiku
箱庭(いえ)を抜け出し駆ける
はこにわ ( いえ ) を ぬけだし かけ る
Hakoniwa ( ie ) wo Nukedashi Kake ru
其処にきっとワタシたちの 本当の家(いえ)があるはずだから
そこ にきっと わたし たちの ほんとう の いえ ( いえ ) があるはずだから
Soko nikitto watashi tachino Hontou no Ie ( ie ) gaaruhazudakara
予想していた現実
よそう していた げんじつ
Yosou shiteita Genjitsu
夢想の残滓 絶望の前
むそう の ざんし ぜつぼう の まえ
Musou no Zanshi Zetsubou no Mae
双子は会い見(まみ)えた。
ふたご は あい けん ( まみ ) えた 。
Futago ha Ai Ken ( mami ) eta 。
「誰か...どうか...幻想(ゆめ)を見せて...虚構(うそ)でもいいから―――」
「 だれか ... どうか ... げんそう ( ゆめ ) を みせ て ... きょこう ( うそ ) でもいいから ―――」
「 Dareka ... douka ... Gensou ( yume ) wo Mise te ... Kyokou ( uso ) demoiikara ―――」
「両親は迎えにこなかった。あると信じて焦がれていた家は、
「 りょうしん は むかえ にこなかった 。 あると しんじ て こが れていた いえ は 、
「 Ryoushin ha Mukae nikonakatta 。 aruto Shinji te Koga reteita Ie ha 、
もうどこにもなかった。
もうどこにもなかった 。
moudokonimonakatta 。
双子は互いの温もりだけを支えに、涙を流す。
ふたご は たがい の あたたも りだけを ささえ に 、 なみだ を ながす 。
Futago ha Tagai no Atatamo ridakewo Sasae ni 、 Namida wo Nagasu 。
すると突然目の前に、カラスを連れた少女が現れて言った」
すると とつぜん めのまえ に 、 からす を つれ た しょうじょ が あらわれ て いっった 」
suruto Totsuzen Menomae ni 、 karasu wo Tsure ta Shoujo ga Araware te Itsutta 」
「あなたたちが、大好きな家族と
「 あなたたちが 、 だいすき な かぞく と
「 anatatachiga 、 Daisuki na Kazoku to
ずっと一緒にいられる場所へ連れていってあげる。
ずっと いっしょに いられる ばしょ へ つれ ていってあげる 。
zutto Isshoni irareru Basho he Tsure teitteageru 。
けれど、これは甘い毒。
けれど 、 これは あまい どく 。
keredo 、 koreha Amai Doku 。
『永遠の幸福』が怖くないのなら、このリンゴを受け取りなさい」
『 えいえん の こうふく 』 が こわく ないのなら 、 この りんご を うけとり なさい 」
『 Eien no Koufuku 』 ga Kowaku nainonara 、 kono ringo wo Uketori nasai 」