金糸雀という鳥は
きん いと すずめ という とり は
Kin Ito Suzume toiu Tori ha
人の為に 自らその翼捧げたなら
にん の ために みずから その つばさ ささげ たなら
Nin no Tameni Mizukara sono Tsubasa Sasage tanara
二度と羽ばたくこともなく
にど と はね ばたくこともなく
Nido to Hane batakukotomonaku
美しい鳥だという
うつくし い とり だという
Utsukushi i Tori datoiu
その響きに この心に冠し生きるのには
その ひびき に この こころ に かんし いき るのには
sono Hibiki ni kono Kokoro ni Kanshi Iki runoniha
相応しくない名だと思う
ふさわし くない なだ と おもう
Fusawashi kunai Nada to Omou
結ばれていたはずの
むすば れていたはずの
Musuba reteitahazuno
二人を引き裂いたものに
ふたり を びき さい たものに
Futari wo Biki Sai tamononi
向けたその殺意(おもい)は決して否定しようもなく
むけ たその さつい ( おもい ) は けっして ひてい しようもなく
Muke tasono Satsui ( omoi ) ha Kesshite Hitei shiyoumonaku
『消してしまえば』
『 けし てしまえば 』
『 Keshi teshimaeba 』
『あいつさえいなければ』
『 あいつさえいなければ 』
『 aitsusaeinakereba 』
その思いの果てに起こした凶行は
その おもい の はて に おこ した きょうこう は
sono Omoi no Hate ni Oko shita Kyoukou ha
元を正せば
もと を ただせ ば
Moto wo Tadase ba
貴女のせいよと
あなた のせいよと
Anata noseiyoto
指し示す魔女の手先は ただ薄く笑っているばかり
さししめす まじょ の てさき は ただ うすく わらって いるばかり
Sashishimesu Majo no Tesaki ha tada Usuku Waratte irubakari
「何がおかしいの?笑ってないでなんとか言ってみたら!?」
「 なに がおかしいの ? わらって ないでなんとか いっって みたら !? 」
「 Nani gaokashiino ? Waratte naidenantoka Itsutte mitara !? 」
「貴女は何も分かっていない。
「 あなた は なにも わか っていない 。
「 Anata ha Nanimo Waka tteinai 。
損なわれるべきでなかった色。救われた色。
そこな われるべきでなかった しょく 。 すくわ れた しょく 。
Sokona warerubekidenakatta Shoku 。 Sukuwa reta Shoku 。
貴女の魂の本当の色というものを。
あなた の たましい の ほんとう の しょく というものを 。
Anata no Tamashii no Hontou no Shoku toiumonowo 。
……なら、御覧なさい。見せてあげる。
…… なら 、 ごらん なさい 。 みせ てあげる 。
…… nara 、 Goran nasai 。 Mise teageru 。
あなたの、もう一つの可能性。」
あなたの 、 もう ひとつ の かのうせい 。」
anatano 、 mou Hitotsu no Kanousei 。」
あの幸せそうな影
あの しあわせ そうな かげ
ano Shiawase souna Kage
私達は 並んで手を取り合い戦っていた
わたしたち は ならん で て を とり あい たたかって いた
Watashitachi ha Naran de Te wo Tori Ai Tatakatte ita
かつてあった姿がそこに
かつてあった すがた がそこに
katsuteatta Sugata gasokoni
そうしてたどり着いた運命の交錯する街【crossline】
そうしてたどり つい た うんめい の こうさく する まち 【 crossline 】
soushitetadori Tsui ta Unmei no Kousaku suru Machi 【 crossline 】
可憐で淑やかな「ミリリ」と
かれん で しとやか な 「 みりり 」 と
Karen de Shitoyaka na 「 miriri 」 to
貴方は惹かれ合っていく
あなた は ひか れ あって いく
Anata ha Hika re Atte iku
呟く
つぶやく
Tsubuyaku
私じゃない それは 私だけど そうじゃない
わたし じゃない それは わたし だけど そうじゃない
Watashi janai soreha Watashi dakedo soujanai
顔を覆って ああ どうして 私は どうして ah...
かお を おおって ああ どうして わたし は どうして ah...
Kao wo Ootte aa doushite Watashi ha doushite ah...
止められはしない 二人恋に落ちて
やめら れはしない ふたり こい に おち て
Yamera rehashinai Futari Koi ni Ochi te
いつしか戦うことさえ忘れていく
いつしか たたかう ことさえ わすれ ていく
itsushika Tatakau kotosae Wasure teiku
私(カナリア)といえばただ独りぼっちに
わたし ( かなりあ ) といえばただ ひとり ぼっちに
Watashi ( kanaria ) toiebatada Hitori botchini
自暴自棄にもなりきれず己を殺し戦い続ける――?
じぼうじき にもなりきれず おのれ を ころし たたかい つづけ る ――?
Jiboujiki nimonarikirezu Onore wo Koroshi Tatakai Tsuzuke ru ――?
『……シグが幸せなのならそれでいいから』と。
『…… しぐ が しあわせ なのならそれでいいから 』 と 。
『…… shigu ga Shiawase nanonarasoredeiikara 』 to 。
搾り出した言葉とは裏腹に
しぼり だし た ことば とは うらはら に
Shibori Dashi ta Kotoba toha Urahara ni
昏い内なる聲の曰く
くらい ない なる こえ の いわく
Kurai Nai naru Koe no Iwaku
『誰かに取られる位なら、いっそ、貴方ごと……』
『 だれか に とら れる くらい なら 、 いっそ 、 あなた ごと ……』
『 Dareka ni Tora reru Kurai nara 、 isso 、 Anata goto ……』
「そう、聞こえるでしょう?
「 そう 、 きこ えるでしょう ?
「 sou 、 Kiko erudeshou ?
あなたの内に潜むもの。
あなたの ない に ひそむ もの 。
anatano Nai ni Hisomu mono 。
己の求めるものに純粋に従うその聲が。
おのれ の もとめ るものに じゅんすい に したがう その こえ が 。
Onore no Motome rumononi Junsui ni Shitagau sono Koe ga 。
美しいカナリア。決して己を犠牲になどしなくていいの。
うつくし い かなりあ 。 けっして おのれ を ぎせい になどしなくていいの 。
Utsukushi i kanaria 。 Kesshite Onore wo Gisei ninadoshinakuteiino 。
さあ、その思いを認めなさい。
さあ 、 その おもい を みとめ なさい 。
saa 、 sono Omoi wo Mitome nasai 。
それこそがあなたを最も美しくするのだから。」
それこそがあなたを もっとも うつくし くするのだから 。」
sorekosogaanatawo Mottomo Utsukushi kusurunodakara 。」
『ただ傍にいたい それさえ叶わないなら
『 ただ ぼう にいたい それさえ かなわ ないなら
『 tada Bou niitai soresae Kanawa nainara
貴方をあのときのまま“永遠”に……』
あなた をあのときのまま “ えいえん ” に ……』
Anata woanotokinomama “ Eien ” ni ……』
鎌首を擡げた本当の私が
かま くび を もたげ た ほんとう の わたし が
Kama Kubi wo Motage ta Hontou no Watashi ga
私に向かって囁く それは歪な鏡像
わたし に むか って ささやく それは ひずな きょうぞう
Watashi ni Muka tte Sasayaku soreha Hizuna Kyouzou
「カナリアの心を持つミリリは言葉を詰まらせる。
「 かなりあ の こころ を もつ みりり は ことば を つま らせる 。
「 kanaria no Kokoro wo Motsu miriri ha Kotoba wo Tsuma raseru 。
己の内なる欲望の聲。それこそが真実の姿だという。」
おのれ の ない なる よくぼう の こえ 。 それこそが しんじつ の すがた だという 。」
Onore no Nai naru Yokubou no Koe 。 sorekosoga Shinjitsu no Sugata datoiu 。」
「――否定したい。
「―― ひてい したい 。
「―― Hitei shitai 。
――けれど。
―― けれど 。
―― keredo 。
――出来ない。
―― できな い 。
―― Dekina i 。
――現に、自分はあの女を殺したのだから」
―― げんに 、 じぶん はあの おんな を ころし たのだから 」
―― Genni 、 Jibun haano Onna wo Koroshi tanodakara 」
「そんな、だって、私は……」
「 そんな 、 だって 、 わたし は ……」
「 sonna 、 datte 、 Watashi ha ……」
「……沈黙。それはきっと、何よりも雄弁な回答。」
「…… ちんもく 。 それはきっと 、 なに よりも ゆうべん な かいとう 。」
「…… Chinmoku 。 sorehakitto 、 Nani yorimo Yuuben na Kaitou 。」