「どこにでもあるような幸せな家族。
「 どこにでもあるような しあわせ な かぞく 。
「 dokonidemoaruyouna Shiawase na Kazoku 。
国中に漂う不自然なまでの魔女への信仰にも、
くにじゅう に ただよう ふしぜん なまでの まじょ への しんこう にも 、
Kunijuu ni Tadayou Fushizen namadeno Majo heno Shinkou nimo 、
どうにか順応して……」
どうにか じゅんのう して ……」
dounika Junnou shite ……」
貧しいことなんて 笑い飛ばせる眩しい家族【famile】
まずしい ことなんて わらい とば せる まぶし い かぞく 【 famile 】
Mazushii kotonante Warai Toba seru Mabushi i Kazoku 【 famile 】
小さな家 桜草【primevere】の咲く 暖かな小庭【jardin】
ちいさ な いえ さくら くさ 【 primevere 】 の さく あたたか な しょう にわ 【 jardin 】
Chiisa na Ie Sakura Kusa 【 primevere 】 no Saku Atataka na Shou Niwa 【 jardin 】
咲く花のように 綺麗な顔した
さく はな のように きれい な かお した
Saku Hana noyouni Kirei na Kao shita
フランとレスター 両親の自慢だった双子
ふらん と れすたー りょうしん の じまん だった ふたご
furan to resuta^ Ryoushin no Jiman datta Futago
人見知りのフランチェスカ レスターの背を離れずに
ひとみしり の ふらんちぇすか れすたー の せ を はなれ ずに
Hitomishiri no furanchesuka resuta^ no Se wo Hanare zuni
「お兄ちゃんなしでは、村の外にも出られないんじゃない?」
「 お にいちゃん なしでは 、 むら の そと にも でら れないんじゃない ? 」
「 o Niichan nashideha 、 Mura no Soto nimo Dera renainjanai ? 」
からかわれて頬膨らませた 優しい春の日
からかわれて ほお ふくらま せた やさしい はる の にち
karakawarete Hoo Fukurama seta Yasashii Haru no Nichi
「御機嫌よう、みなさん。
「 ごきげん よう 、 みなさん 。
「 Gokigen you 、 minasan 。
幸せな日々をお過ごしのところごめんなさい。
しあわせ な ひび をお すご しのところごめんなさい 。
Shiawase na Hibi woo Sugo shinotokorogomennasai 。
じゃ……終わりにしましょう?」
じゃ …… おわり にしましょう ? 」
ja …… Owari nishimashou ? 」
「全てが引き裂かれたのは突然のこと。
「 すべて が ひきさか れたのは とつぜん のこと 。
「 Subete ga Hikisaka retanoha Totsuzen nokoto 。
たった一人で現れた魔女は彼らの言葉を待つこともなく、
たった ひとり で あらわれ た まじょ は かれら の ことば を まつ こともなく 、
tatta Hitori de Araware ta Majo ha Karera no Kotoba wo Matsu kotomonaku 、
愉しむように両親を殺し、そのまま双子を連れ去ろうとして……。
たのし むように りょうしん を ころし 、 そのまま ふたご を つれ さろ うとして ……。
Tanoshi muyouni Ryoushin wo Koroshi 、 sonomama Futago wo Tsure Saro utoshite ……。
眼前の凶事を受け入れることのできない少女は、
がんぜん の きょう こと を うけいれ ることのできない しょうじょ は 、
Ganzen no Kyou Koto wo Ukeire rukotonodekinai Shoujo ha 、
ただ虚ろに叫び続けていた」
ただ うつろ に さけび つづけ ていた 」
tada Utsuro ni Sakebi Tsuzuke teita 」
「嘘……いや……いやぁぁぁぁっっ!!」
「 うそ …… いや …… いやぁぁぁぁっっ !! 」
「 Uso …… iya …… iyaaaaatsutsu !! 」
眼下に広がる血と血の逢瀬は 思慕の跡を
がんか に ひろが る ち と ち の おうせ は しぼ の あと を
Ganka ni Hiroga ru Chi to Chi no Ouse ha Shibo no Ato wo
命絶たれても尚 描き輝く
いのち たた れても たかし えがき かがやく
Inochi Tata retemo Takashi Egaki Kagayaku
稚拙な御伽噺だと信じた "絆狩り"は
ちせつ な おとぎ はなし だと しんじ た " きずな かり " は
Chisetsu na Otogi Hanashi dato Shinji ta " Kizuna Kari " ha
突如前触れなく光を壊した
とつじょ まえぶれ なく ひかり を こわし た
Totsujo Maebure naku Hikari wo Kowashi ta
何の音も聞こえない 自分の声も
なんの おと も きこ えない じぶん の こえ も
Nanno Oto mo Kiko enai Jibun no Koe mo
彼女は全てを拒絶するように叫び続け――――
かのじょ は すべて を きょぜつ するように さけび つづけ ――――
Kanojo ha Subete wo Kyozetsu suruyouni Sakebi Tsuzuke ――――
遥か蒼穹の空へと撃ち鳴らすのは
はるか そうきゅう の そら へと うち なら すのは
Haruka Soukyuu no Sora heto Uchi Nara sunoha
虚構求め 揺れる心の警鐘か……?
きょこう もとめ ゆれ る こころ の けいしょう か …… ?
Kyokou Motome Yure ru Kokoro no Keishou ka …… ?
「ねぇ、煩い。お前はもういいや……」
「 ねぇ 、 わずらい 。 お まえ はもういいや ……」
「 nee 、 Wazurai 。 o Mae hamouiiya ……」
「囁く魔女は、叫ぶフランチェスカに刃を向ける。
「 ささやく まじょ は 、 さけぶ ふらんちぇすか に は を むけ る 。
「 Sasayaku Majo ha 、 Sakebu furanchesuka ni Ha wo Muke ru 。
けれど刺し貫かれるその刹那、
けれど さし つらぬか れるその せつな 、
keredo Sashi Tsuranuka rerusono Setsuna 、
レスターがその凶刃を己の身を呈して受け止めて……」
れすたー がその きょうじん を おのれ の みを ていし て うけ とめ て ……」
resuta^ gasono Kyoujin wo Onore no Miwo Teishi te Uke Tome te ……」
「妹だけは、こいつだけは助けてやってください。殺すのなら俺に……」
「 いもうと だけは 、 こいつだけは たすけ てやってください 。 ころす のなら おれ に ……」
「 Imouto dakeha 、 koitsudakeha Tasuke teyattekudasai 。 Korosu nonara Ore ni ……」
いつだって後ろにいて
いつだって うしろ にいて
itsudatte Ushiro niite
いつだって守られて――――
いつだって まもら れて ――――
itsudatte Mamora rete ――――
自分も怖いくせに 小さく震えてるのに
じぶん も こわい くせに ちいさ く ふるえ てるのに
Jibun mo Kowai kuseni Chiisa ku Furue terunoni
どうしてなの?いつもみたいに
どうしてなの ? いつもみたいに
doushitenano ? itsumomitaini
瞳を細めて 安心させるみたいに
ひとみ を ほそめ て あんしんさ せるみたいに
Hitomi wo Hosome te Anshinsa serumitaini
笑って背に庇い続けてくれたのは――――
わらって せ に かばい つづけ てくれたのは ――――
Waratte Se ni Kabai Tsuzuke tekuretanoha ――――
「フランチェスカは、
「 ふらんちぇすか は 、
「 furanchesuka ha 、
兄の手から流れ出る血に再び深い衝撃を受け、声を失ってしまう。
あに の て から ながれ でる ち に ふたたび ふかい しょうげき を うけ 、 こえ を うって しまう 。
Ani no Te kara Nagare Deru Chi ni Futatabi Fukai Shougeki wo Uke 、 Koe wo Utte shimau 。
まるで、この瞬間の悲鳴で一生分の声を発し尽くしてしまったかのように。
まるで 、 この しゅんかん の ひめい で いっしょう ふん の こえ を はっし づくし てしまったかのように 。
marude 、 kono Shunkan no Himei de Isshou Fun no Koe wo Hasshi Zukushi teshimattakanoyouni 。
その光景を嬉しそうにみていた魔女は、
その こうけい を うれし そうにみていた まじょ は 、
sono Koukei wo Ureshi sounimiteita Majo ha 、
兄であるレスターだけをその場から連れ去って……。
あに である れすたー だけをその ば から つれ さって ……。
Ani dearu resuta^ dakewosono Ba kara Tsure Satte ……。
少女の傍に残されたものは、
しょうじょ の ぼう に のこさ れたものは 、
Shoujo no Bou ni Nokosa retamonoha 、
寄り添いあって倒れ伏す両親の死体と、血の香りだけ」
より そい あって たおれ ふす りょうしん の したい と 、 ち の かおり だけ 」
Yori Soi atte Taore Fusu Ryoushin no Shitai to 、 Chi no Kaori dake 」