人知れぬまま朽ちてゆく
じんち れぬまま くち てゆく
Jinchi renumama Kuchi teyuku
御伽噺のなかで
おとぎ はなし のなかで
Otogi Hanashi nonakade
歪み始めた捻子の毒に
ひずみ はじめ た ねじ の どく に
Hizumi Hajime ta Neji no Doku ni
惑わされウサギは踊る
まどわ され うさぎ は おどる
Madowa sare usagi ha Odoru
幾ら追いかけ走っても
いくら おい かけ はしって も
Ikura Oi kake Hashitte mo
僕には届かぬ日々
ぼく には とどか ぬ ひび
Boku niha Todoka nu Hibi
その運命(さだめ)が終わるのを 嗚呼 待ち侘びていた
その うんめい ( さだめ ) が おわ るのを ああ まち わび ていた
sono Unmei ( sadame ) ga Owa runowo Aa Machi Wabi teita
愛するアリス――その手を取ろう
あいす る ありす ―― その て を とろ う
Aisu ru arisu ―― sono Te wo Toro u
連れてくよ何処まででも
つれ てくよ どこ まででも
Tsure tekuyo Doko madedemo
皮肉な闇に 微笑みひとつ
ひにく な やみ に ほほえみ ひとつ
Hiniku na Yami ni Hohoemi hitotsu
拒絶なんて気づかぬ振りをして
きょぜつ なんて きづ かぬ ふり をして
Kyozetsu nante Kizu kanu Furi woshite
寒々しさに満ちる路地
かん しさに みち る ろじ
Kan shisani Michi ru Roji
消え行く日の残骸
きえ いく にち の ざんがい
Kie Iku Nichi no Zangai
樅の老木、模造の星
しょう の ろうぼく 、 もぞう の ほし
Shou no Rouboku 、 Mozou no Hoshi
夢の運び屋の抜け殻
ゆめ の はこび や の ぬけ から
Yume no Hakobi Ya no Nuke Kara
新たなものに押し遣られ
あらた なものに おし やら れ
Arata namononi Oshi Yara re
打ち棄てられた時計
うち すて られた とけい
Uchi Sute rareta Tokei
いのち止まるその際に 嗚呼 ウサギは哭いた
いのち とま るその さいに ああ うさぎ は こく いた
inochi Toma rusono Saini Aa usagi ha Koku ita
微睡むアリス――教えてあげる
び すい む ありす ―― おしえ てあげる
Bi Sui mu arisu ―― Oshie teageru
甘い破滅に塗れて
あまい はめつ に ぬれ て
Amai Hametsu ni Nure te
浮かんだ月が なにかを嘲笑い
うか んだ がつ が なにかを せせらわらい
Uka nda Gatsu ga nanikawo Seserawarai
物知り猫の瞳を閉じてく
ものしり ねこ の ひとみ を とじ てく
Monoshiri Neko no Hitomi wo Toji teku
僕はここだよ、悲しまないで
ぼくは ここだよ 、 かなし まないで
Bokuha kokodayo 、 Kanashi manaide
永久の国まであと少し
えいきゅう の くに まであと すこし
Eikyuu no Kuni madeato Sukoshi
愛するアリス――その手をどうか
あいす る ありす ―― その て をどうか
Aisu ru arisu ―― sono Te wodouka
崩れそうなこの僕に重ねて
くずれ そうなこの ぼく に おもね て
Kuzure sounakono Boku ni Omone te
人知れぬまま朽ちてゆく
じんち れぬまま くち てゆく
Jinchi renumama Kuchi teyuku
御伽噺のなかで
おとぎ はなし のなかで
Otogi Hanashi nonakade
雪に埋もれて冷たくなる
ゆき に うも れて つめた くなる
Yuki ni Umo rete Tsumeta kunaru
発条の祈りも
はつじょう の いのり も
Hatsujou no Inori mo
沈む――
しずむ ――
Shizumu ――