Lyric

(啓太K たゆねT いぐさI)

K かわいこちゃんがやって来る お風呂に入りにやってくる

K ここは贅沢~ 薫んちの湯~

K ああ、極楽 極楽。

  この湯煙に紛れて死角になる一角にゆーっくりと陣取ってぇ…。

  おおっ!きたきたっ!

<ガラガラッ>(戸を開け、お湯を流す音)

(たゆね、いぐさ身体を洗う)

<たゆね鼻歌>

(ふたり湯船につかる)

T いいお湯だねえ きもちいいね

I ほんとだね ぽかぽかで疲れがとれる

T ねぇ、こんな静かなお風呂って はぁ、ほっとする リラックス

I みんなが 寝静まったら ちょっと贅沢なバスタイム

T ねぇねぇ、いぐさ。さっき書いてたの何?

I え、ええっ!あれは、なんでも…。

T そんな、隠さなくってもいいじゃん。なんか書いてるでしょ? やおい…

I そ、そんな、あの…そのっ…。 うふふ。そんなに聞きたいですか?

T うんうんうん。聞きたい。興味ある~っ。

I でも、いいんですか?

  聞いたら取り返しのつかないことになるかもしれませんよ。

T だいじょーぶ、だいじょーぶだってば!勇気を出して言ってみよー!

I コホン。それでは…昔々あるところに…

  大きな学校の寮がありました。その寮は、人里離れた森の奥にあり寮生以外

  滅多に人の訪問はありません。

  夜になると怖いくらいシンと静まり返り、

  虫の声と鳥の声以外しないようなそんな場所でした。

T ゴクリ。(つばを飲む)

I それは、とても古い建物で長くて暗い廊下を歩くと

  ミシミシッ、ミシミシッと気味の悪い音が…。

T も、もういいや…。

I その廊下の突き当たりを出ると離れに、古い大きなお風呂場がありました。

T えっ、お、お風呂場っ!?

I そのお風呂場には、昔から真夜中になると…。

K ま、まいったな…。だんだん、のぼせてきたぞ…。

  このお湯、ちぃーと熱いんだよな。ま、お陰で湯気がもくもくで

  それに紛れて、こんなおいしい思いもできるんだけど。

  いや、ちょっと湯気のせいでこっちの視界も悪いしな

  もう少しだけ近づいちゃおうかな。これじゃよく見えないしさー。

<ちゃぷん、ちゃぷん…>

K お話し終わるのまぁーだかなぁ 怪談終わるのまぁーだかな

K 俺は、ゆでだこー 薫んちの湯ー

I 誰もいないはずの真夜中のお風呂場で、水面にぶくぶくと奇妙な小さな泡。

  湯の底からは、何者かのくぐもった叫び声。そして、洗面器がカタンと!

T ひぃぃぃーーーーーっ!

I ごめんなさい。私のぼせて気分悪くなってきちゃった。

  続きはまた今度。先に出てるね。

I いいお湯だねえ きもちいいね お肌までピカピカで うれしくなるね

I ねぇ、こんな真夜中貸し切りで はぁ、ほっとする 癒されて

I ラララララララララ (以下ハミングでF.O退出)

T ボ、ボクもこの寒気をなんとかしてすぐ出よう…。

  こ、怖くなんかないぞ、怖くなんか。

<ブクブクブク…>(水の泡の音)

T ぶ、ぶくぶく…っ?!

K (お湯の中から)だ、ず、げ、でぇぇぇ…

T ひぃーーーーーーーっ、こわくないっ、こわくないっ、ボクは強いんだっ!

K のぼせたぁぁぁ…

<ザブーン カタン!>(啓太お湯から手をだし、側にあった洗面器を必死につかむ)

T ぎ、ぎゃーーーーっ!

  (湯船から飛び出し音の方向へ洗面器をたくさん投げつける)

K お、おたすけぇぇぇ…

T ぎ、ぎゃーーーーっ、貴様っ、侵入者か!この無礼者っ。容赦せん。

  破邪走光・発露×1 『たゆね突撃』

K ちょっ、ちょっと待ていっ!

<どごーーーーーーーーーーーん。>

K こんなんばっかか~。(泣)

<キラーン。>

T ふう。ん?なんかどっかで聞いたような声だったような。

  ま、いっか。さ、あがって寝よ。寝よ。

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