カッターナイフを左手首にグリグリと押しつけている僕を見てお前は
かったーないふ を ひだりてくび に ぐりぐり と おし つけている ぼく を みて お まえ は
katta^naifu wo Hidaritekubi ni guriguri to Oshi tsuketeiru Boku wo Mite o Mae ha
「どうせ死んでるようなもんだろう 今さら死ぬ必要もないだろう」
「 どうせ しん でるようなもんだろう いま さら しぬ ひつよう もないだろう 」
「 douse Shin deruyounamondarou Ima sara Shinu Hitsuyou monaidarou 」
なんて屁理屈垂れやがったよなぁ
なんて へりくつ たれ やがったよなぁ
nante Herikutsu Tare yagattayonaa
思わずカチンときてしまって でたらめに殴りかかっていったけど
おもわず かちん ときてしまって でたらめに なぐり かかっていったけど
Omowazu kachin tokiteshimatte detarameni Naguri kakatteittakedo
お前は身動きひとつせず ただ黙って殴られてくれたよなぁ
お まえ は みうごき ひとつせず ただ だまって なぐら れてくれたよなぁ
o Mae ha Miugoki hitotsusezu tada Damatte Nagura retekuretayonaa
結局は しつけの悪い近所の飼い犬みたいに
けっきょく は しつけの わるい きんじょ の かい いぬ みたいに
Kekkyoku ha shitsukeno Warui Kinjo no Kai Inu mitaini
ワーワー泣き出してしまったどうしようもない僕にお前は
わーわー なきだし てしまったどうしようもない ぼく にお まえ は
wa^wa^ Nakidashi teshimattadoushiyoumonai Boku nio Mae ha
「ここから始めよう ここから始めよう」って何度も力強く言ってくれたよなぁ
「 ここから はじめ よう ここから はじめ よう 」 って なんど も ちからづよく いっって くれたよなぁ
「 kokokara Hajime you kokokara Hajime you 」 tte Nando mo Chikarazuyoku Itsutte kuretayonaa
あの時のことを今でもよく覚えているよ とても不思議な気持ちになったんだ
あの ときの ことを いま でもよく おぼえ ているよ とても ふしぎ な きもち になったんだ
ano Tokino kotowo Ima demoyoku Oboe teiruyo totemo Fushigi na Kimochi ninattanda
バースデイケーキのろうそくを吹き消した後みたいな とても不思議な気持ちになったんだ
ばーすでいけーき のろうそくを ふき けし た のち みたいな とても ふしぎ な きもち になったんだ
ba^sudeike^ki norousokuwo Fuki Keshi ta Nochi mitaina totemo Fushigi na Kimochi ninattanda
僕は今 お前にお別れの手紙を書いているところ
ぼくは いま お まえ にお わかれ の てがみ を かい ているところ
Bokuha Ima o Mae nio Wakare no Tegami wo Kai teirutokoro
わかってくれるだろ いつまでもお前と一緒に暮らしているわけにはいかないんだ
わかってくれるだろ いつまでもお まえ と いっしょに くらし ているわけにはいかないんだ
wakattekurerudaro itsumademoo Mae to Isshoni Kurashi teiruwakenihaikanainda
僕は今 お前にお別れの手紙を書いているところ
ぼくは いま お まえ にお わかれ の てがみ を かい ているところ
Bokuha Ima o Mae nio Wakare no Tegami wo Kai teirutokoro
お前と再会しなくて済むようにマジックペンでぶっとく
お まえ と さいかい しなくて すむ ように まじっくぺん でぶっとく
o Mae to Saikai shinakute Sumu youni majikkupen debuttoku
拝啓、絶望殿!
はいけい 、 ぜつぼう どの !
Haikei 、 Zetsubou Dono !
僕、誓う 僕、もう二度と負けない
ぼく 、 ちかう ぼく 、 もう にど と まけ ない
Boku 、 Chikau Boku 、 mou Nido to Make nai
"拭わないほうがカッコいい"そんな涙が便箋の真ん中をふにゃふにゃにして
" ぬぐわ ないほうが かっこ いい " そんな なみだ が びんせん の まんなか をふにゃふにゃにして
" Nuguwa naihouga kakko ii " sonna Namida ga Binsen no Mannaka wofunyafunyanishite
僕はそこに小指で小さな穴をあけて 生まれて初めて明日というものを覗き込みました
ぼくは そこに こゆび で ちいさ な あな をあけて うまれ て はじめて あした というものを のぞき こみ ました
Bokuha sokoni Koyubi de Chiisa na Ana woakete Umare te Hajimete Ashita toiumonowo Nozoki Komi mashita
窓の外には 前歯で噛みちぎった爪の先っぽみたいな三日月
まど の そと には まえば で かみ ちぎった つめ の さきっぽ みたいな みかづき
Mado no Soto niha Maeba de Kami chigitta Tsume no Sakippo mitaina Mikazuki
そいつが建設中のマンションの影に隠れてしまうまで じっと見つめていました
そいつが けんせつちゅう の まんしょん の かげ に かくれ てしまうまで じっと みつ めていました
soitsuga Kensetsuchuu no manshon no Kage ni Kakure teshimaumade jitto Mitsu meteimashita
何かに命をかけてみようと思います
なにか に いのち をかけてみようと おもい ます
Nanika ni Inochi wokaketemiyouto Omoi masu
今はまだ何に命をかけるべきかが分からない僕ですが それでも堂々と胸を張って
いま はまだ なに に いのち をかけるべきかが わか らない ぼく ですが それでも どうどう と むね を はって
Ima hamada Nani ni Inochi wokakerubekikaga Waka ranai Boku desuga soredemo Doudou to Mune wo Hatte
何に命をかけるべきかを 命をかけて探してゆこうと思います
なに に いのち をかけるべきかを いのち をかけて さがし てゆこうと おもい ます
Nani ni Inochi wokakerubekikawo Inochi wokakete Sagashi teyukouto Omoi masu
それがアイツとの別れ際に打ち明けた僕の固い決意です
それが あいつ との わかれ さいに うち あけ た ぼく の かたい けつい です
sorega aitsu tono Wakare Saini Uchi Ake ta Boku no Katai Ketsui desu
僕を包み込むように六畳一間に充満していた絶望との別れ際に打ち明けた僕の固い決意です
ぼく を つつみ こむ ように ろく たたみ ひとま に じゅうまん していた ぜつぼう との わかれ さいに うち あけ た ぼく の かたい けつい です
Boku wo Tsutsumi Komu youni Roku Tatami Hitoma ni Juuman shiteita Zetsubou tono Wakare Saini Uchi Ake ta Boku no Katai Ketsui desu
僕は今 お前のことを歌っているところ
ぼくは いま お まえ のことを うたって いるところ
Bokuha Ima o Mae nokotowo Utatte irutokoro
これはお前への強烈な復讐心と強烈な感謝の気持ちが込められた行為なんだよ
これはお まえ への きょうれつ な ふくしゅうしん と きょうれつ な かんしゃ の きもち が こめ られた こうい なんだよ
korehao Mae heno Kyouretsu na Fukushuushin to Kyouretsu na Kansha no Kimochi ga Kome rareta Koui nandayo
僕は今 お前のことを歌っているところ
ぼくは いま お まえ のことを うたって いるところ
Bokuha Ima o Mae nokotowo Utatte irutokoro
お前と再会しなくて済むようにマイクを通してでっかく
お まえ と さいかい しなくて すむ ように まいく を とうし てでっかく
o Mae to Saikai shinakute Sumu youni maiku wo Toushi tedekkaku
聞こえるか 絶望よ!
きこ えるか ぜつぼう よ !
Kiko eruka Zetsubou yo !
僕、誓う 僕、もう二度と負けない
ぼく 、 ちかう ぼく 、 もう にど と まけ ない
Boku 、 Chikau Boku 、 mou Nido to Make nai