Lyric

孟春(もうしゅん)の空の霞、眺む(ながむ)。

淑気(しゅくき)満つ刹那、霞晴れし。

沈沈(しんしん)として山深し(やまふかし)小暗し(こぐらし)の間(あい)、

寄り添って。

時のどむ、明け六つ(あけむつ)、響み(どよみ)、天伝う(あまつたう)、

東雲(しののめ)。

諸恋ひて(もろごいて)、真日長く(まけながく)恋ひ渡る。

思ひ積みてもなお、比翼は恋衣離さず。

斑雪(はだれゆき)の隙間から紅の薄様(くれないのうすよう)。

天道歩く初茜。

時節(じせつ)、逸早し(いちはやし)。

時移る間(ときうつるあい)、撓る(おおる)様な事も少なからず。

比翼連理(ひよくれんり)にも離れ方。

片笑み想えば愛しみす(うるわしみす)。

丸くなった背中(せな)で語る昔話は色褪せぬ。

想ひ出の中、大切な言葉で成り返る。

諸恋ひて、真日長く恋ひ渡る。

思ひ積みてもなお、比翼は恋衣離さず。

常しへなり、色深し。まるで珠の様な蛍火。

此れぞ、真の恋。

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