氷輪怯ゆ(おびゆ)六花の刻。
こおり わ きょう ゆ ( おびゆ ) ろく はな の こく 。
Koori Wa Kyou yu ( obiyu ) Roku Hana no Koku 。
冴え凍る顔(かんばせ)、咽ぶ。
さえ こおる かお ( かんばせ ) 、 むせぶ 。
Sae Kooru Kao ( kanbase ) 、 Musebu 。
ささめいて、汀揺れる。
ささめいて 、 みぎわ ゆれ る 。
sasameite 、 Migiwa Yure ru 。
仄見ゆ顔は手を伸ばして這ひ徘徊る(たもとおる)。
そく みゆ かお は て を のばし て しゃ ひ はいかい る ( たもとおる ) 。
Soku Miyu Kao ha Te wo Nobashi te Sha hi Haikai ru ( tamotooru ) 。
凍み凍りて痛みに心が薄れていく。
しみ こおり て いたみ に こころ が うすれ ていく 。
Shimi Koori te Itami ni Kokoro ga Usure teiku 。
君を抱きしめたこの腕に絡みつく常闇。
くん を だき しめたこの うで に からみ つく つね やみ 。
Kun wo Daki shimetakono Ude ni Karami tsuku Tsune Yami 。
狂り(あざり)乞う傍らで、黒、咲ふ(わらう)。
きょう り ( あざり ) こう かたわら で 、 くろ 、 さき ふ ( わらう ) 。
Kyou ri ( azari ) Kou Katawara de 、 Kuro 、 Saki fu ( warau ) 。
消え方(きえがた)の淵、か細い聲(こえ)。
きえ ほう ( きえがた ) の ふち 、 か こまい こえ ( こえ ) 。
Kie Hou ( kiegata ) no Fuchi 、 ka Komai Koe ( koe ) 。
「またあなたに会えますように。」
「 またあなたに あえ ますように 。」
「 mataanatani Ae masuyouni 。」
殯(もがり)灯す、窄し(すぼし)眼(まなこ)に虚しさが沈む夜。
ひん ( もがり ) ともす 、 さく し ( すぼし ) め ( まなこ ) に むなし さが しずむ よる 。
Hin ( mogari ) Tomosu 、 Saku shi ( suboshi ) Me ( manako ) ni Munashi saga Shizumu Yoru 。
背向(そがい)の闇が言う。
せ こう ( そがい ) の やみ が いう 。
Se Kou ( sogai ) no Yami ga Iu 。
―お前は呪いを背負う覚悟があるのか―
― お まえ は のろい を せおう かくご があるのか ―
― o Mae ha Noroi wo Seou Kakugo gaarunoka ―
嘆かふ事もできずに君、紅涙伝う頬は。
なげか ふ こと もできずに くん 、 くれない なみだ つたう ほお は 。
Nageka fu Koto modekizuni Kun 、 Kurenai Namida Tsutau Hoo ha 。
闇の現(うつつ)、死期(しご)に喚く(わめく)雪で消え失す。
やみ の げん ( うつつ ) 、 しき ( しご ) に わめく ( わめく ) ゆき で きえ うす 。
Yami no Gen ( utsutsu ) 、 Shiki ( shigo ) ni Wameku ( wameku ) Yuki de Kie Usu 。
黒、咲い。睨まふ先には鬼の様な童形(どうぎょう)。
くろ 、 さい 。 にらま ふ さきに は おに の ような わらべ かたち ( どうぎょう ) 。
Kuro 、 Sai 。 Nirama fu Sakini ha Oni no Youna Warabe Katachi ( dougyou ) 。
―苦輪の唄で自らに痛みを刻め―
― く わ の うた で みずから に いたみ を きざめ ―
― Ku Wa no Uta de Mizukara ni Itami wo Kizame ―
背中(せな)に焼き付けた禍言(まがごと)に、取り憑いた紫。
せなか ( せな ) に やきつけ た か げん ( まがごと ) に 、 とり つい た むらさき 。
Senaka ( sena ) ni Yakitsuke ta Ka Gen ( magagoto ) ni 、 Tori Tsui ta Murasaki 。
呪われし苦輪の唄を謡う。
のろわ れし く わ の うた を うたう 。
Norowa reshi Ku Wa no Uta wo Utau 。