Lyric

遙か昔

わたしたちが

緋色の翼に抱かれていた

其の記憶

繭に動く蚕のように

紡ぐ白日夢

絹の千早に包み

それは未來 祈り以て

暗黒も裂けるほどの

麗しき光景

闇の中か 光なのか

滅亡の影を導く

蹄の音は鳴り

転生せよ 民族の血

山を砕く 河のごとく

まだ間に合うだろう

終焉の宴には

日の出づる処に

こうしてまた生まれ

翔ぶ術を失くしても魂(こころ)は

尊き時へと舞い戻る

此処で知る生きることの神秘

其の共鳴

畏れなき明日の世など

在りはせぬと

天が穿つ 銀の奈落

月宮殿から届く

交情の矢文

独りでなく一つでない

なぜそれを忘れ

孤獨ばかり彩る都

穢れ受けぬ胸に沈む

誰を想う痛みの刀(けん)

捧げることだけが

この巫女の軍(いくさ)なり

日の沈む処に

生贄を埋めよう

白い指 朱い骨繋いで

羽撃く代わりにわたしたちを

共に持つ命の強かさ

其の儚さ

哀しみを塞ぐことが

できなくとも

日の出づる処に

こうしてまた死して

来る夢に帰っては見果てぬ

愛しい時へと舞い上がる

幾度見る生きることの豊饒

其の源

月を背に

聳え建つは髑髏ヶ城

畏れなき

人の世など在りはしない

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