足元をみたす暗い海と ひとみに映るまぶしい空と
あしもと をみたす くらい うみ と ひとみに うつる まぶしい そら と
Ashimoto womitasu Kurai Umi to hitomini Utsuru mabushii Sora to
悲しみの数を刻み込むような その爪痕だけを覚えている
かなしみ の かず を きざみ こむ ような その つめ あと だけを おぼえ ている
Kanashimi no Kazu wo Kizami Komu youna sono Tsume Ato dakewo Oboe teiru
やわらかな胸元にひとつまたひとつ あざやかな花が咲き始める
やわらかな むなもと にひとつまたひとつ あざやかな はな が さき はじめ る
yawarakana Munamoto nihitotsumatahitotsu azayakana Hana ga Saki Hajime ru
根は深く骨を断ち 熱を奪ってゆく 花びらは終わりを知らせる
ね は ふかく ほね を たち ねつ を うばって ゆく はなびら は おわり を しらせ る
Ne ha Fukaku Hone wo Tachi Netsu wo Ubatte yuku Hanabira ha Owari wo Shirase ru
耳元でひびく誰かの声 いくら叫んでも届きはしない
みみもと でひびく だれか の こえ いくら さけん でも とどき はしない
Mimimoto dehibiku Dareka no Koe ikura Saken demo Todoki hashinai
失われてゆく奪われてゆく 色あせるように みな消えてゆく
うしなわ れてゆく うばわ れてゆく しょく あせるように みな きえ てゆく
Ushinawa reteyuku Ubawa reteyuku Shoku aseruyouni mina Kie teyuku
望んでも叶うことはないと あらがう果てにすべてを知った
のぞん でも かなう ことはないと あらがう はて にすべてを しった
Nozon demo Kanau kotohanaito aragau Hate nisubetewo Shitta
絶望のふちに張りつめている 糸が切れるときの音色をきく
ぜつぼう のふちに はり つめている いと が きれ るときの ねいろ をきく
Zetsubou nofuchini Hari tsumeteiru Ito ga Kire rutokino Neiro wokiku
朽ちかけた目の前をひらりまたひらり つややかな蝶の影がまたたく
くち かけた めのまえ をひらりまたひらり つややかな ちょう の かげ がまたたく
Kuchi kaketa Menomae wohirarimatahirari tsuyayakana Chou no Kage gamatataku
その羽はどこまでも落ちてゆきそうな 暗闇の色をしている
その はね はどこまでも おち てゆきそうな くらやみ の しょく をしている
sono Hane hadokomademo Ochi teyukisouna Kurayami no Shoku woshiteiru