――かつて世界には
―― かつて せかい には
―― katsute Sekai niha
神より遣わされし蒼氷の石が在った
かみ より つかわ されし あお こおり の いし が おわった
Kami yori Tsukawa sareshi Ao Koori no Ishi ga Owatta
古の聖者がその秘石を用い
こ の せいじゃ がその ひ いし を もちい
Ko no Seija gasono Hi Ishi wo Mochii
焔の悪魔を封じた伝説は伝承の詩となったが
ほのお の あくま を ふうじ た でんせつ は でんしょう の し となったが
Honoo no Akuma wo Fuuji ta Densetsu ha Denshou no Shi tonattaga
今や...その秘石の行方は...杳として知れぬまま……
いまや ... その ひ いし の なめがた は ... よう として しれ ぬまま ……
Imaya ... sono Hi Ishi no Namegata ha ... You toshite Shire numama ……
――神よ!
―― かみ よ !
―― Kami yo !
再征服 → 再征服 → 再征服せよ! お別れだ...
さい せいふく → さい せいふく → さい せいふく せよ ! お わかれ だ ...
Sai Seifuku → Sai Seifuku → Sai Seifuku seyo ! o Wakare da ...
再征服 → 再征服 → 再征服せよ! 嗚呼...神よ!
さい せいふく → さい せいふく → さい せいふく せよ ! ああ ... かみ よ !
Sai Seifuku → Sai Seifuku → Sai Seifuku seyo ! Aa ... Kami yo !
再征服 → 再征服 → 再征服せよ! 此処でお別れだ...
さい せいふく → さい せいふく → さい せいふく せよ ! ここ でお わかれ だ ...
Sai Seifuku → Sai Seifuku → Sai Seifuku seyo ! Koko deo Wakare da ...
再征服 → 再征服 → 再征服せよ! 嗚呼...我らが神よ!
さい せいふく → さい せいふく → さい せいふく せよ ! ああ ... われら が かみ よ !
Sai Seifuku → Sai Seifuku → Sai Seifuku seyo ! Aa ... Warera ga Kami yo !
再征服 → 再征服 → 領土再征服せよ!
さい せいふく → さい せいふく → りょうど さい せいふく せよ !
Sai Seifuku → Sai Seifuku → Ryoudo Sai Seifuku seyo !
【書ハ物語ル】
【 かき は ものがたり る 】
【 Kaki ha Monogatari ru 】
神は土塊から 初めに男を創り
かみ は つちくれ から はじめ に おとこ を つくり
Kami ha Tsuchikure kara Hajime ni Otoko wo Tsukuri
その肋骨から 女を創った
その ろっこつ から おんな を つくった
sono Rokkotsu kara Onna wo Tsukutta
兄は土を耕し 弟は羊を飼った
あに は つち を たがやし おとうと は ひつじ を かった
Ani ha Tsuchi wo Tagayashi Otouto ha Hitsuji wo Katta
争いの歴史は 此処から始まった
あらそい の れきし は ここ から はじま った
Arasoi no Rekishi ha Koko kara Hajima tta
以来...何故...人は 断ち切れないのだろう?
いらい ... なぜ ... にん は たち きれ ないのだろう ?
Irai ... Naze ... Nin ha Tachi Kire nainodarou ?
争いを繰り返す 負の連鎖を
あらそい を くりかえす ふ の れんさ を
Arasoi wo Kurikaesu Fu no Rensa wo
弱い私は誰を憎めば良い 嗚呼...誰か教えて……
よわい わたし は だれ を にくめ ば よい ああ ... だれか おしえ て ……
Yowai Watashi ha Dare wo Nikume ba Yoi Aa ... Dareka Oshie te ……
『歴史は駈け廻る――』
『 れきし は かけ まわる ――』
『 Rekishi ha Kake Mawaru ――』
離散の老預言者と流浪の三姉妹
りさん の ろう よげん もの と るろう の さんしまい
Risan no Rou Yogen Mono to Rurou no Sanshimai
父と母を両皿に乗せ傾かざる少女の天秤
ちち と はは を りょう さら に のせ かたむか ざる しょうじょ の てんびん
Chichi to Haha wo Ryou Sara ni Nose Katamuka zaru Shoujo no Tenbin
幸せな時ほど 誰もが気付かない
しあわせ な とき ほど だれも が きづか ない
Shiawase na Toki hodo Daremo ga Kizuka nai
密やかに歯車 廻すのが《六番目の女神》
みつ やかに はぐるま まわす のが 《 ろくばんめ の めがみ 》
Mitsu yakani Haguruma Mawasu noga 《 Rokubanme no Megami 》
不幸せな時には もう気付いても手遅れ
ふしあわせ な ときに は もう きづい ても ておくれ
Fushiawase na Tokini ha mou Kizui temo Teokure
世界を蝕む奈落へ 堕とすのも《六番目の女神》
せかい を むしばむ ならく へ おと すのも 《 ろくばんめ の めがみ 》
Sekai wo Mushibamu Naraku he Oto sunomo 《 Rokubanme no Megami 》
少女が裸足で駈け出した 石畳を蒼く 照らす月灯り
しょうじょ が はだし で かけ だし た いしだたみ を あおく てら す がつ あかり
Shoujo ga Hadashi de Kake Dashi ta Ishidatami wo Aoku Tera su Gatsu Akari
家にはもう居たくない 足などもう痛くない
いえ にはもう いた くない あし などもう いたく ない
Ie nihamou Ita kunai Ashi nadomou Itaku nai
此処ではない何処かへと 行方のない彼方へと
ここ ではない どこ かへと なめがた のない かなた へと
Koko dehanai Doko kaheto Namegata nonai Kanata heto
『歴史は駈け廻る――』
『 れきし は かけ まわる ――』
『 Rekishi ha Kake Mawaru ――』
怒りと憎しみの時代を彼女は疾り月夜に散った
いかり と にくしみ の じだい を かのじょ は しつ り つきよ に ちった
Ikari to Nikushimi no Jidai wo Kanojo ha Shitsu ri Tsukiyo ni Chitta
昏き冷雨の牢獄 朽の眠りに囚われし男
こん き れい あめ の ろうごく きゅう の ねむり に とらわ れし おとこ
Kon ki Rei Ame no Rougoku Kyuu no Nemuri ni Torawa reshi Otoko
奪われし焔を取り戻し 緋き瞳を静かに開いた
うばわ れし ほのお を とり もどし ひ き ひとみ を しずか に ひらい た
Ubawa reshi Honoo wo Tori Modoshi Hi ki Hitomi wo Shizuka ni Hirai ta
男は少女に問うた 少女は《美しき夜》の名で応えた
おとこ は しょうじょ に とう た しょうじょ は 《 うつくし き よる 》 の めいで こたえ た
Otoko ha Shoujo ni Tou ta Shoujo ha 《 Utsukushi ki Yoru 》 no Meide Kotae ta
少女も男に問うた 答えは馴染みの無い異国の響き
しょうじょ も おとこ に とう た こたえ は なじみ の ない いこく の ひびき
Shoujo mo Otoko ni Tou ta Kotae ha Najimi no Nai Ikoku no Hibiki
少女は男を《悪魔》と呼ぶことにした 男は奇妙に嗤った
しょうじょ は おとこ を 《 あくま 》 と よぶ ことにした おとこ は きみょう に し った
Shoujo ha Otoko wo 《 Akuma 》 to Yobu kotonishita Otoko ha Kimyou ni Shi tta
少女は生死を別つ淵に立ちながらも 凛として怯えなかった……
しょうじょ は せいし を わかつ ふち に たち ながらも りん として おびえ なかった ……
Shoujo ha Seishi wo Wakatsu Fuchi ni Tachi nagaramo Rin toshite Obie nakatta ……
『歴史は駈け廻る――』
『 れきし は かけ まわる ――』
『 Rekishi ha Kake Mawaru ――』
痛みと哀しみの時代を私は選び其の手を取った
いたみ と かなし みの じだい を わたし は えらび その て を とった
Itami to Kanashi mino Jidai wo Watashi ha Erabi Sono Te wo Totta
残酷ナ『永遠』ト謂ウ苦イ毒ヲ、喰ラウ覚悟ガ在ルナラバ、共ニ生キヨウ
ざんこく な 『 えいえん 』 と い う く い どく を 、 しょく らう かくご が ざい るならば 、 とも に なま きよう
Zankoku na 『 Eien 』 to I u Ku i Doku wo 、 Shoku rau Kakugo ga Zai runaraba 、 Tomo ni Nama kiyou