真雪の肌は白く 黒檀の髪は黒く
まこと ゆき の はだ は しろく こくたん の かみ は くろく
Makoto Yuki no Hada ha Shiroku Kokutan no Kami ha Kuroku
血潮のように赤い唇 冬に望まれ産まれた私
ちしお のように あかい くちびる ふゆ に のぞま れ うま れた わたし
Chishio noyouni Akai Kuchibiru Fuyu ni Nozoma re Uma reta Watashi
柔らかな温もり 過ぎ去りし春の匂い
やわら かな あたたも り すぎ さり し はる の におい
Yawara kana Atatamo ri Sugi Sari shi Haru no Nioi
甘く切ない痛み遺して 生母は遠くへ逝ってしまった……
あまく せつな い いたみ のこし て せいぼ は とおく へ いって しまった ……
Amaku Setsuna i Itami Nokoshi te Seibo ha Tooku he Itte shimatta ……
鏡よ鏡……此の世界で一番、美しいのは、誰なのかしら?
かがみ よ かがみ …… この せかい で いちばん 、 うつくし いのは 、 だれ なのかしら ?
Kagami yo Kagami …… Kono Sekai de Ichiban 、 Utsukushi inoha 、 Dare nanokashira ?
其れは貴女――《王妃様》!
その れは あなた ――《 おうひ さま 》 !
Sono reha Anata ――《 Ouhi Sama 》 !
継母は冷たく 亡母の愛を憶いだし
ままはは は つめた く ぼう はは の あい を おぼい だし
Mamahaha ha Tsumeta ku Bou Haha no Ai wo Oboi dashi
独り抱きしめ虚像と踊る 月日を重ね娘に成った……
ひとり だき しめ きょぞう と おどる がっぴ を おもね むすめ に なった ……
Hitori Daki shime Kyozou to Odoru Gappi wo Omone Musume ni Natta ……
鏡よ鏡……此の世界で一番、美しいのは、誰なのかしら?
かがみ よ かがみ …… この せかい で いちばん 、 うつくし いのは 、 だれ なのかしら ?
Kagami yo Kagami …… Kono Sekai de Ichiban 、 Utsukushi inoha 、 Dare nanokashira ?
其れは貴女――《王妃様》でしたが……
その れは あなた ――《 おうひ さま 》 でしたが ……
Sono reha Anata ――《 Ouhi Sama 》 deshitaga ……
今では彼女――《雪白姫》!
いま では かのじょ ――《 ゆき しろ ひめ 》 !
Ima deha Kanojo ――《 Yuki Shiro Hime 》 !
狩人の爺やに 追いかけられ 森の奥へと逃げる……
かりうど の じい やに おい かけられ もり の おく へと にげ る ……
Kariudo no Jii yani Oi kakerare Mori no Oku heto Nige ru ……
ワシだって本当は、こんなこと……したくなかったんじゃよ
わし だって ほんとう は 、 こんなこと …… したくなかったんじゃよ
washi datte Hontou ha 、 konnakoto …… shitakunakattanjayo
だったら、どうして?
だったら 、 どうして ?
dattara 、 doushite ?
姫よ、お妃様にゃ逆らえぬ
ひめ よ 、 お きさき ように ゃ さから えぬ
Hime yo 、 o Kisaki Youni ya Sakara enu
お願い、助けて!
お ねがい 、 たすけ て !
o Negai 、 Tasuke te !
姫よ、殺すワシも辛いんじゃよ
ひめ よ 、 ころす わし も つらい んじゃよ
Hime yo 、 Korosu washi mo Tsurai njayo
それなら、私もうお城には、帰らないと約束するわ
それなら 、 わたし もうお しろ には 、 かえら ないと やくそく するわ
sorenara 、 Watashi mouo Shiro niha 、 Kaera naito Yakusoku suruwa
それなら、ワシにも策がある。猪殺して身代わりにしよう!
それなら 、 わし にも さく がある 。 いのしし ころし て み かわり にしよう !
sorenara 、 washi nimo Saku gaaru 。 Inoshishi Koroshi te Mi Kawari nishiyou !
そして、私を待っていたのは……。
そして 、 わたし を まって いたのは ……。
soshite 、 Watashi wo Matte itanoha ……。
宵闇の迫る陰が 進む道を呑み込んでゆく
よいやみ の せまる いん が すすむ みち を のみ こん でゆく
Yoiyami no Semaru In ga Susumu Michi wo Nomi Kon deyuku
迷い込んだ見知らぬ森の 小さな可愛いお家
まよいこん だ みしら ぬ もり の ちいさ な かわいい お いえ
Mayoikon da Mishira nu Mori no Chiisa na Kawaii o Ie
寝起きも超すっきりな美少女、私の目覚めを待っていたのは、
ねおき も ちょう すっきりな びしょうじょ 、 わたし の めざめ を まって いたのは 、
Neoki mo Chou sukkirina Bishoujo 、 Watashi no Mezame wo Matte itanoha 、
可笑しな訛を持った七人の愉快な小人達で、
おかし な なまり を もった しちにん の ゆかい な こども たち で 、
Okashi na Namari wo Motta Shichinin no Yukai na Kodomo Tachi de 、
その後、狡賢い継母の謀略により、幾度か死にかけたが、
その のち 、 こう かしこい ままはは の ぼうりゃく により 、 いくど か しに かけたが 、
sono Nochi 、 Kou Kashikoi Mamahaha no Bouryaku niyori 、 Ikudo ka Shini kaketaga 、
その都度、奇跡的に復活し続けたのであった!
その つど 、 きせきてき に ふっかつ し つづけ たのであった !
sono Tsudo 、 Kisekiteki ni Fukkatsu shi Tsuzuke tanodeatta !
※一部、物語の本筋とは関係のない音声が、流れている可能性が御座います……。
※ いちぶ 、 ものがたり の ほんすじ とは かんけい のない おんせい が 、 ながれ ている かのうせい が ござい ます ……。
※ Ichibu 、 Monogatari no Honsuji toha Kankei nonai Onsei ga 、 Nagare teiru Kanousei ga Gozai masu ……。
ごめんね、お婆さん。
ごめんね 、 お ばあさん 。
gomenne 、 o Baasan 。
どんな人も、家へは、入れちゃいけないのよ……
どんな にん も 、 いえ へは 、 いれ ちゃいけないのよ ……
donna Nin mo 、 Ie heha 、 Ire chaikenainoyo ……
お留守番かい? 偉いねぇ!
お るすばん かい ? えらい ねぇ !
o Rusuban kai ? Erai nee !
さぁ、真っ赤に熟れてる林檎。お前さんに1つあげよう、ほれ!
さぁ 、 まっか に うれ てる りんご 。 お まえ さんに 1 つあげよう 、 ほれ !
saa 、 Makka ni Ure teru Ringo 。 o Mae sanni 1 tsuageyou 、 hore !
ごめんね、お婆さん。
ごめんね 、 お ばあさん 。
gomenne 、 o Baasan 。
いらない。私何も、貰っちゃいけないのよ……
いらない 。 わたし なにも 、 もらっち ゃいけないのよ ……
iranai 。 Watashi Nanimo 、 Moratchi yaikenainoyo ……
あらまぁ、心配症だねぇ!
あらまぁ 、 しんぱいしょう だねぇ !
aramaa 、 Shinpaishou danee !
そうとなりゃ、抱いてる疑惑。この婆と2つに分けよう!
そうとなりゃ 、 だい てる ぎわく 。 この ばあ と 2 つに わけ よう !
soutonarya 、 Dai teru Giwaku 。 kono Baa to 2 tsuni Wake you !
抗えない 誘ってる悪魔 7つめの罪は蜜の味
あらがえ ない さそって る あくま 7 つめの つみ は みつ の あじ
Aragae nai Sasotte ru Akuma 7 tsumeno Tsumi ha Mitsu no Aji
鏡よ鏡……此の世界で一番、美しいのは、誰なのかしら?
かがみ よ かがみ …… この せかい で いちばん 、 うつくし いのは 、 だれ なのかしら ?
Kagami yo Kagami …… Kono Sekai de Ichiban 、 Utsukushi inoha 、 Dare nanokashira ?
其れは貴女――《王妃様》!
その れは あなた ――《 おうひ さま 》 !
Sono reha Anata ――《 Ouhi Sama 》 !
僕の理想の花嫁は 何処に居るのだろう?
ぼく の りそう の はなよめ は どこ に いる のだろう ?
Boku no Risou no Hanayome ha Doko ni Iru nodarou ?
嗚呼 西も東も 北も南も 雨にも負けず 風にも負けず
ああ にし も ひがし も きた も みなみ も あめ にも まけ ず かぜ にも まけ ず
Aa Nishi mo Higashi mo Kita mo Minami mo Ame nimo Make zu Kaze nimo Make zu
捜したけれど 見つからないのさ
さがし たけれど みつ からないのさ
Sagashi takeredo Mitsu karanainosa
未来に開く 少女も 過去に開いた 老婆も
みらい に ひらく しょうじょ も かこ に ひらい た ろうば も
Mirai ni Hiraku Shoujo mo Kako ni Hirai ta Rouba mo
蕾も花も 生きとし生ける 全ての女性を 愛でても尚 見つからない
つぼも はな も いき とし いけ る すべて の じょせい を めで ても たかし みつ からない
Tsubomo Hana mo Iki toshi Ike ru Subete no Josei wo Mede temo Takashi Mitsu karanai
宵闇の迫る陰が 進む道を呑み込んでゆく
よいやみ の せまる いん が すすむ みち を のみ こん でゆく
Yoiyami no Semaru In ga Susumu Michi wo Nomi Kon deyuku
迷い込んだ見知らぬ森の 小さな可愛いお家
まよいこん だ みしら ぬ もり の ちいさ な かわいい お いえ
Mayoikon da Mishira nu Mori no Chiisa na Kawaii o Ie
儘、鎖された硝子の中で、
まま 、 とざさ れた がらす の なか で 、
Mama 、 Tozasa reta Garasu no Naka de 、
眠るように死んでる君は、
ねむる ように しん でる くん は 、
Nemuru youni Shin deru Kun ha 、
誰よりも、嗚呼、美しい。
だれ よりも 、 ああ 、 うつくし い 。
Dare yorimo 、 Aa 、 Utsukushi i 。
やっと、見つけたよ!
やっと 、 みつ けたよ !
yatto 、 Mitsu ketayo !
魔性の肌は白く 黒曜の髪は黒く
ましょう の はだ は しろく くろ よう の かみ は くろく
Mashou no Hada ha Shiroku Kuro You no Kami ha Kuroku
焔のように赤い唇
ほのお のように あかい くちびる
Honoo noyouni Akai Kuchibiru
妬いたのが お前の罪なら
やい たのが お まえ の つみ なら
Yai tanoga o Mae no Tsumi nara
灼けた靴で――
やけ た くつ で ――
Yake ta Kutsu de ――
死 ぬ 迄 踊 れ !
し ぬ まで よう れ !
Shi nu Made You re !